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2018 Fiscal Year Research-status Report

Development of Ras Inhibitory Therapy for Autoimmune Liver Diseases

Research Project

Project/Area Number 17KK0200
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

中川 良  千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (60594596)

Project Period (FY) 2018 – 2019
KeywordsT細胞 / Ras分子 / 自己免疫性肝疾患 / 原発性胆汁性胆管炎 / Ras阻害剤
Outline of Annual Research Achievements

研究課題「Ras阻害剤による自己免疫性肝疾患治療法の確立」のためUniversity Medical Center Hamburg-Eppendorfとの共同研究を行っている。現在までの研究実績として自己免疫性性肝疾患のひとつである原発性胆汁性胆管炎(PBC)のT細胞の活性化機構の一端を明らかにし、Ras阻害剤によるT細胞抑制がその病態改善に役立つ可能性が示されつつある。
まず、本邦にてPBCのCD4+T細胞のT細胞受容体レセプターには健常人にはないレパトリーが存在していること、Ras分子の一つであるN-Rasが発現亢進していることを明らかにした。そして、T細胞受容体刺激によりN-Rasが活性化および亢進しその受容体刺激を伝達雨する事を明らかにした。このことから、PBCの特異的なT細胞受容体レパートリーが自己抗原を認識し、N-Ras亢進を介してT細胞を活性化し炎症が生じさせ、その病態形成を誘導する可能性が示された。そして、Ras阻害剤によりPBCの炎症を抑制できる可能性が示された。
現在、これらの知見を基にUniversity Medical Center Hamburg-Eppendorfに滞在し、T細胞におけるN-Rasの変動を解析している。現在までの解析によりタンパクとRNAレベルでのT細胞におけるN-Ras分子の動態を明らかにできた。T細胞ではT細胞受容体刺激によりタンパクおよびRNAレベルでN-Ras分子の発現が亢進することがフローサイトメトリー、ウエスタンブロット法、定量的リアルタイム、PCRを用いて解析し得た。また、それらの変動は末梢血単核球レベルに反映され解析が可能であることが示された。これにより、臨床検体でのN-Ras発現解析の基本となる測定系が完成し得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までの進捗によりN-Ras高発現の誘因となりえるPBCで高発現を示すTCRレパートリーを明らかにし、また確実なN-Ras測定系の構築を成し得た。これらは、十分な進捗と考えられる。この理由としてはTCRレパートリーについては論文報告を行えたこと、共同研究機関での研究の立ち上げが行えたことの2点が挙げられる。両成果は今後の本課題を推進する上で重要な足がかりである。一つにTCRレパートリー解析によりPBCにRas阻害剤への適応の理由を明示できるようになったこと。そして、自己免疫性肝疾患のT細胞におけるN-Ras分子の動態を解析する準備が整ったこと。これらより本計画の進捗を評価する。

Strategy for Future Research Activity

今後の方策として患者検体でのN-Ras発現の解析とモデル動物を使用しての解析を行う。
患者検体でのN-Ras解析では、PBC14例、自己免疫性肝炎(AIH)7例、健常人14例を対象とし、その末梢血単核球でのN-Ras発現およびT細胞活性化状態を病態と合わせ解析する。まず、内因性のN-Ras発現の解析のため検体のN-Ras発現およびサイトカイン発現をフローサイトメトリー、ウエスタンブロット法、定量的リアルタイムPCRを用いて解析する。次いで、検体のT細胞受容体刺激への反応性を解析するため、検体に TCR刺激を加えその後にN-Ras発現およびサイトカイン発現をフローサイトメトリー、ウエスタンブロット法、定量的リアルタイムPCR、ELISA法を用いて解析する。
次いでモデル実験ではモデル動物へのRas阻害剤の投与し、その病態改善の程度を解析する。PBCのモデルマウスとしてはNOD.c3c4マウスを予定している。これにより本計画の推進を行う。

  • Research Products

    (3 results)

All 2019 2018

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] CD4+ T cells from patients with primary biliary cholangitis show T cell activation and differentially expressed T‐cell receptor repertoires2019

    • Author(s)
      Ryo Nakagawa Ryosuke Muroyama Chisato Saeki Tsunekazu Oikawa Yoshimi Kaise Kazuhiko Koike Jun Arai Masanori Nakano Yasuo Matsubara Keiko Takano Yoshihiro Hirata Masayuki Saruta Mikio Zeniya Naoya Kato
    • Journal Title

      Hepatology Research

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      https://doi.org/10.1111/hepr.13318

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] CD4 陽性 T 細胞を標的とした Ras 阻害剤による原発性胆汁性胆管炎の新規治療法開発2018

    • Author(s)
      中川良、銭谷幹男、加藤直也
    • Organizer
      第104回日本消化器病学会総会
  • [Presentation] 原発性胆汁性胆管炎の Ras 阻害剤による IFN!γ 抑制療法の開発2018

    • Author(s)
      中川良、銭谷幹男、加藤直也
    • Organizer
      第54回肝臓学会総会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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