2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of Ras Inhibitory Therapy for Autoimmune Liver Diseases
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17KK0200
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中川 良 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (60594596)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 原発性胆汁性胆管炎 / CD4+T細胞 / N-Ras / 原発性硬化性胆管炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は本邦の原発性胆汁性胆管炎(PBC)のT細胞では健常人と比べT細胞受容体刺激経路が高発現に伴いN-Ras分子が高発現し、その炎症機序に関わることを明らかにしてきた。そして、N-Ras分子の制御により、T細胞受容体刺激経路を抑制することで、PBCの炎症性サイトカイン産生が抑制できる可能性を示してきた。本研究ではこれを応用したPBCの新規治療法の開発のため、PBCのT細胞におけるN-Ras分子高発現の疾患特異性、民族間の普遍性、N-Rasが高発現する要因を明らかにし、その制御による治療効果を検証している。2018年よりUniversity Medical Center Hamburg-Eppendorfでの欧州コホートでのコホートによるPBCのN-Ras発現の解析を開始した。PBC患者(n=19)と、健常群(n=18)、原発性胆管炎(PSC)患者を疾患コントロール群(n=17)とし対象の末梢T細胞のN-Ras発現を定量的RT-PCRとフローサイトメトリーにより解析した。これによりN-RasはPBC群においてのみ高発現し、それに伴いIFN-γとIL-2の高発現が認められた。また、PBCでのN-Ras発現はその治療により変動を来たし、疾患制御に関わる分子である事が明らかになった。また、N-Ras遺伝子とタンパクはT細胞受容体刺激により誘導されることが明らかとなった。これらのことから、N-Ras高発現はPBC病態に特異的で、普遍的事象である事が明らかとなった。そして、その発現はPBC病態に関わる可能性が強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究によりRas阻害剤をPBCに応用するために必要なN-Ras発現の疾患特異性と普遍性について明らかに出来た。また、そのN-Ras抑制抑制作用を有する薬剤も選出できた。そのため十分な進捗があると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
PBCのin vitroモデルを用いてRas阻害剤のPBC治療への有効性を明らかにする。
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