2018 Fiscal Year Research-status Report
Neural basis of intergroup emotion underlying vicarious retribution
Project/Area Number |
17KT0002
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柳澤 邦昭 京都大学, こころの未来研究センター, 特定助教 (10722332)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 仁美 近畿大学, 経営学部, 講師 (10761843)
浅野 孝平 京都大学, こころの未来研究センター, 特定研究員 (50713319)
|
Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2020-03-31
|
Keywords | 集団間代理報復 / 集団間感情 / 神経基盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
集団間の紛争は未だに世界各地で繰り広げられている。外集団から受けた内集団の危害は報復を引き起こし、紛争を悪化させる。特に深刻なのは非当事者同士においても集団間報復(集団間代理報復)が生じることである。近年、この集団間代理報復の背景要因の一つとして内集団成員に生じた出来事に対し喚起される集団間感情(“我々”の出来事として生じる感情)が注目されている。本研究では機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging : fMRI)を用いて、集団間代理報復を促す集団間感情の神経基盤について検討し、神経科学的説明モデルを提唱することを目的としている。今年度の研究ではfMRI実験のデータ取得に関する計画やデータ解析手法に関して共同研究者と議論を進め、十分な予備実験を行った上でfMRI実験を実施した。具体的には、社会的迷惑行為や犯罪行為の刺激文を用いたfMRI実験を行った。加害者と被害者がともに日本人である場合と、加害者が外国人で被害者が日本人である場合に怒り感情がどのように異なるのか、そして脳活動のパターンに違いが見られるか検討を進めている。これらの観点から、本研究で着目する集団間感情の神経基盤について解析を実施する。本研究で得られたデータについては、学会・研究会などで報告する予定であり、最終的な研究成果については海外の学術雑誌において報告する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度はfMRIを用いた脳画像データの取得を円滑に進めることが出来た。来年度以降もデータ取得を継続して行う予定であり、データ取得が完了次第、画像解析に力を入れて進めていく予定である。これらのデータ解析により、一定の研究成果を得ることが見込める状況にある。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度にはデータ取得を完了させ、本格的に解析を進めていく予定である。特に、集団間感情に関わる神経基盤を特定するとともに、それらの神経基盤が代理報復を修飾するプロセスの検討を進めていく。また、研究の進捗状況に応じて、代理報復に関わる行動指標の測定を目的とした行動実験を実施する。
|
Causes of Carryover |
今年度はfMRI実験を実施したものの、すべての参加者のデータを取り終えることが出来なかったため、次年度使用額が生じた。したがって、これらはすべてfMRI実験にあてる予定である。
|
Research Products
(1 results)