2019 Fiscal Year Research-status Report
社会的境界研究の構築と移民トランスナショナリズムへの応用
Project/Area Number |
17KT0030
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
樽本 英樹 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50271705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 千香子 一橋大学, 大学院社会学研究科, 准教授 (10410755)
人見 泰弘 名古屋学院大学, 国際文化学部, 准教授 (10584352)
南川 文里 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (60398427)
秦泉寺 友紀 和洋女子大学, 人文学部, 准教授 (60512192)
佐藤 成基 法政大学, 社会学部, 教授 (90292466)
本田 量久 東海大学, 観光学部, 教授 (90409540)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2021-03-31
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Keywords | 国際移民 / 境界 / 人種 / エスニシティ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者および研究分担者が集まり、それぞれの分担に関する発表をし、その後研究討論を行った。研究テーマは、合衆国における生得的市民権と排除政治の展開、フランスにおけるムスリム差別の背後にある人種・ジェンダー概念の再編と緊張、ドイツにおける国民国家の境界をめぐる対立、イタリアにおける左派ポピュリズムのポスト国民国家的活動、日本の国際観光に対する越境的スイス人ネットワークによる推進とその条件といったトピックで発表と討論が展開していった。そして最後に、社会的境界の研究蓄積と理論的枠組みを提示することで諸研究をまとめる努力をした。理論的枠組みの内容は、社会的境界を社会的閉鎖、社会システム論、エスニック集団論などの理論的知見によりまとめ上げる努力を行った。
しかし、研究全体を方向付けるための理論的枠組みはまだ弱く、さらに考察が必要だということがわかった。たとえば、社会階級の境界、社会システムの境界、エスニック集団間の境界は重なっている部分も多い一方、異なる部分もある。このような共通性と差異性をいかにまとめるかが課題となっている。さらに、研究代表者および研究分担者ではカバーできない国・地域があることも問題視された。特に、アジア諸国に対する考察が不可欠とされた。
そこで年度内に理論的考察を続けゲストスピーカーを招いて、再度研究会を開く準備をしたけれども、残念ながら新型コロナウイルスの影響により、開催は中止にせざるをえなくなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
それぞれの国・地域の社会的境界現象をまとめ上げる理論的枠組みが必要であることがわかった。また、研究メンバーでカバーできない国・地域の扱いも問題化した。そこでゲストスピーカーを招いて再度研究会を開催しようとしたものの、新型コロナウイルスの影響で中止となってしまった。したがって、次年度において研究会を開催するなど何か研究上の工夫が必要となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
それぞれの国・地域の社会的境界現象をまとめ上げる理論的枠組みの彫塑、および研究メンバーでカバーできない国・地域の包括を行わなければならない。そこで、理論の検討を目的とした研究会を開くことにする。また、対象の国・地域を広げるため研究会にゲストスピーカーを研究発表および研究討論を行う。新型コロナウイルスの影響で対面の研究会が行えない場合は、オンラインでの開催などを模索していく。
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Causes of Carryover |
社会的境界に関する理論的分析および、研究分担者がカバーできない国・地域の扱いについて検討するために、当該年度中に研究会を開催する予定であった。しかし、新型コロナウイルスの広がりによって、研究会の開催を自粛した。また、研究分担者および研究代表者による海外調査も中止せざるを得なくなった。これらの理由により、研究期間の延長を願い出たため、次年度使用額が生じたのである。
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Research Products
(20 results)