2019 Fiscal Year Annual Research Report
Developing "happy aging community"by integrated health data
Project/Area Number |
17KT0041
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福間 真悟 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (60706703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 昌平 滋賀大学, データサイエンス学部, 教授 (10509871)
塩瀬 隆之 京都大学, 総合博物館, 准教授 (90332759)
辰巳 明久 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 教授 (90295634)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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Keywords | 疫学 / 介護予防 / 人工物システム / 高齢者 / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
自立高齢者が生活する環境(日本老人福祉財団)をフィールドとして、IoTで高齢者の生活をリアルタイムに高密度で可視化し、健康関連データと連携することで、機能低下につながる兆候を検知し、生活支援に活用する仕組みを実装した。高齢者の生活に寄り添うIoTとしてビーコンを利用し、生活範囲、行動量をデータ化し、定期的に本人に結果をフィードバックすることで、活動量を増やすための動機付けを行った。 フィールドとなった施設は、独立した住居、食堂、大浴場、交流施設、医療施設、介護センターなどが備わった“高齢者が居住する町”の縮図と言える。施設内30か所に設置したビーコンスポットへの訪問ログから、生活範囲や移動距離を推定するアルゴリズムを開発した。生活基礎調査(質問紙)、生活・介護記録と連携し、解析することによって、高齢者が健康支援サービスに参加する際の障壁を分析した。プロジェクト参加者は、非参加者と比較して、もともとの社会的交流範囲が広い場合が多かった。一方で、もともと社会的交流範囲が少なかった者でも、プロジェクト参加後の継続率や活動量の向上は大きかった。プロジェクト参加への動機づけとして、ICTを生活に実装する技術受容や、データから得られる知見を効果的に共有するコミュニケーション・デザインの観点を取り入れた。 本プロジェクトは、高齢者が主体的に参加する健康支援コミュニティのモデルの実装に成功した。現在、113名がプロジェクトに継続参加し、うち90%がビーコンを日常的に利用している。生活と健康に関連するデータを活用して、高齢者の健康支援を行い、幸せに老いるコミュニティを設計することは、超高齢社会における「老いの不安」を解消するための重要な課題である。本フィールドから継続的に得られる知見を活用し、より広範な集団や環境へのプロジェクトの展開を行っていく。
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Research Products
(7 results)