2017 Fiscal Year Research-status Report
治験患者の医療情報とTCRレパートリーの解析連携による癌の病態と治療反応性予測
Project/Area Number |
17KT0053
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金田 安史 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10177537)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 理宏 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (70506493)
|
Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2020-03-31
|
Keywords | がん / TCR / 腫瘍免疫 / 医療情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
HVJ-Eによるメラノーマ治験患者のサンプルを阪大皮膚科から入手し、RNA seq.を行った。HVJ-E非投与のメラノーマ組織、HVJ-E(30000 mNAU)投与後1ヶ月経過して残ったメラノーマ組織、さらに治験終了後5ヶ月時点で新たに出現したメラノーマ組織である。T cellのマーカーであるSELLやLEF1がHVJ-E投与腫瘍組織や再発腫瘍組織で発現が高かった。HVJ-E投与後1ヶ月の腫瘍組織では、PDCD1, LAG3, TIGIT, CTLA4などのT cell exhaustion markerの発現が高く、再発部位ではそのような遺伝子の発現は見られなかった。T cell cytotoxic markerの発現は何れの組織でも低かったが、HVJ-E投与部位ではNKG7やGZMAの発現が認められた。制御性T細胞のFOXP3やPD-1のリガンドであるPDL1の発現はなかった。そのほかの免疫細胞(NK細胞、B細胞、マクロファージ)の遺伝子発現は3つの腫瘍組織で変わらなかった。TCRについては、マウスメラノーマ細胞のF10の担癌マウスで解析しているが、腫瘍内にはほとんどT細胞がいなかったので、マウス脾臓からCD3/CD8とCD3/CD4をsortingしてRNA seqを行っているところである。HVJ-Eをヒト前立腺癌細胞PC3にかけると、クロマチンの状態が変化することがATAC seq.により明らかになり、凝縮状態が緩和された。その部位にはp300がリクルートされることがChIP seq.により明らかになった。このような変化は正常前立腺上皮細胞株では起こらなかった。その結果、腫瘍特異的に発現する遺伝子候補を同定することができた。それぞれについてCRISPR/Cas9法でノックアウトした変異癌細胞を作成して、これをマウスに移植してHVJ-E感受性を調べるとIRF7のノックアウトによりHVJ-E感受性が失われた。そこでIRF7ノックアウトメラノーマ細胞を移植したマウスでもTCRを調べるためRNA seq.を施行している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者の腫瘍組織の遺伝子情報の解析が行えた。TCRについては、その評価系を構築するところで時間がかかっているが、ようやく整えられた。一方、マウスの腫瘍におけるHVJ-Eの抗腫瘍活性を担う因子を解明できた。医療情報の解析については、患者が入り次第解析できる情況にある。
|
Strategy for Future Research Activity |
HVJ-Eによる抗腫瘍効果が見られているマウスと見られないマウスでの脾臓のT細胞を比較する予定である。このデータからHVJによる抗腫瘍効果とT細胞全体の遺伝子発現とTCRの関連の解析を行う。HVJ-Eの治験症例の血液サンプルを用いたTCRの多様性の解析を施行する。腫瘍マーカーをもとにしたHVJ-E治療群の分類を行い、それぞれの症例のTCRの多様性のパターンから、HVJ-E反応性と相関するTCRのレパートリーを統計学的に解析する。
|
Research Products
(7 results)
-
-
-
[Journal Article] Phase I/II clinical trial to assess safety and efficacy of intratumoral and subcutaneous injection of HVJ-E to castration resistant prostate cancer patients.2017
Author(s)
Fujita, K., Nakai, Y., Kawashima, A., Ujike, T., Nagahara, A., Uemura, M., Miyagawa Y., Lee, C-M., Inoue, T., Kaneda, Y., Nonomura, I.
-
Journal Title
Cancer Gene Therapy
Volume: 24
Pages: 277-281
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-