2019 Fiscal Year Research-status Report
Agricultural Resource Utilization with linkage of Agriculture, Nutrition and Health to Establish Sustainable Society
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17KT0073
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
松田 浩敬 東京農業大学, 農学部, 准教授 (50451901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 尚悟 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (20755798)
土屋 一彬 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (40615639)
関山 牧子 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (90396896)
ギータ モハン 国際連合大学サステイナビリティ高等研究所, サステイナビリティ高等研究, Research Fellow (90647075)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2021-03-31
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Keywords | 栄養の二重負荷 / 農業・栄養・健康の連環 / インドネシア / ケニア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、農業・栄養・健康の連環を明確に考慮した、人々の健康を基準とする適切な食料需要体系、および伝統的な農業生産体系と近代的な農業生産体系とを組み合わせた新たな農業生産体系を提示し、それに基づいた、都市-農村の食料消費-生産に関する農業資源利用の確立による持続型社会の構築を目的としている。本年度は、昨年度に新たに調査対象地として選定したインドネシア共和国バンドン県パンガレンガン郡プロサリ村、およびケニア共和国キツイ郡キツイにて調査を実施した。 プロサリ村(インドネシア・バンドン県)については、2019年9月に、世帯ごとの食事の多様性と農業生産物の多様性の関係を明らかにするために、研究協力機関であるパジャジャラン大学と共同で聞き取り調査を実施した。主な調査内容は、過去24時間および7日間の食事調査と、過去1年間の作付け作物である。キツイ(ケニア・キツイ郡)については、Bioversity international、およびケニア在来知識活用資源センター(KENRIK:the Kenya Resource Centre for Indigenous Knowledge)の協力の下、2019年8月に、農産物の作付け体系や市場での販売等に関する概要の把握を目的に聞き取り調査を行った。キツイは、半乾燥地域であり、それへの対応が必須であることから、それらへの対応についても調査を行った。 プロサリ村、およびキツイでの継続的な調査、さらに昨年度の調査対象地の一つであるスカジャディ村(インドネシア・ボゴール県)での調査を計画していたが、新型コロナウィルス感染症の影響により、今年度は断念することとした。次年度にこれらの調査を実施するとともに本研究の成果をとりまとめ、発信していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロサリ村(インドネシア・バンドン県)については、120世帯を対象とし、世帯ごとの食事の多様性と農業生産物の多様性の関係を明らかにすることを目的に調査を行った。食事の態様性を把握するため、食事調査を行った。具体的には、過去24時間および7日間について、予備調査で把握された村内で消費されている品目ごとの摂取の有無を世帯内の女性に対して尋ねた。次に、農業生産物の多様性について、利用している畑および州有林における過去1年間の生産物を尋ねた。また、市場へのアクセス性などについての質問を行った。調査結果については、現在、とりまとめ中である。 キツイ(ケニア・キツイ郡)は、半乾燥地帯であり、それへの対応が大きな課題となっている。対応としては主に、i)耐乾性作物の組み合わせ、ii)水資源が利用可能な場合それを利用する、iii)コミュニティとしての対応、の三つに分けられる。i)については、伝統的に栽培されている乾燥に強い数種類のマメを作付けし、リスク対応を行っていた。ii)については、井戸水、河川の伏流水が利用できる場合、それらを利用することはもちろん、乾燥に対応した栽培技術の採用が確認された。また、iii)については、ソーシャルネットワークに基づいた、種子も含む収穫物の交換がなされコミュニティ全体でのリスク分散がなされていた。i)、iii)の対応については、複数の作物を栽培していることが前提であるが、市場での販売価格に応じて作付けする作物・品種を決定する傾向がみられ、結果として作付けする作物・品種数の減少が生じつつあることが示唆された。 2020年3月には、昨年度に引き続いたインドネシア共和国ボゴール県スカジャディ村での調査、および2019年8月の調査に基づいたキツイ(ケニア・キツイ郡)での質問紙調査を計画していたが、新型コロナウィルス感染症の影響で、実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定では、今年度は、最終年度であった。しかしながら、新型コロナウィルス感染症の影響で調査ができないなど、最終的なとりまとめにまで至らなかったことから、次年度に調査の一部を繰り越すこととした。これまで取得したデータの解析に加え、次年度の予定される調査から得られる結果に基づき、とりまとめ、研究成果の発信を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により、予定していた調査ができなかったため、次年度に調査を実施するとともに、それらに基づき、とりまとめ、研究成果の発信を行う。
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[Book] "Framing food security and poverty alleviation" in Mino, T and Kudo, S eds. Framing in Sustainability Science2019
Author(s)
Matsuda, H., Sekiyama, M., Tsuchiya, K., Chen, G., Geetha, M. and Aoki, E.
Total Pages
18
Publisher
Springar
ISBN
9811390606