2021 Fiscal Year Research-status Report
Agricultural Resource Utilization with linkage of Agriculture, Nutrition and Health to Establish Sustainable Society
Project/Area Number |
17KT0073
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
松田 浩敬 東京農業大学, 農学部, 教授 (50451901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 尚悟 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (20755798)
土屋 一彬 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (40615639)
関山 牧子 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (90396896)
ギータ モハン 国際連合大学サステイナビリティ高等研究所, サステイナビリティ高等研究, Research Fellow (90647075)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2023-03-31
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Keywords | 栄養障害の二重負荷 / ケニア / チャヤーノフ法則 / Dietary Diversity Score |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、農業・栄養・健康の連環を明確に考慮した、人々の健康を基準とする適切な食料需要体系、および伝統的な農業生産体系と近代的な農業生産体系とを組み合わせた新たな農業生産体系を提示し、それに基づいた、都市-農村の食料消費-生産に関する農業資源利用の確立による持続型社会の構築を目的としている。本年度も新型コロナウィルス感染症の影響により、現地調査を実施することができなかった。この状況を踏まえ、今年度は特にケニア共和国ケニア共和国キツイ郡の農村部、同国ビヒガ郡の農村部を対象とした現地協力機関が収集したデータに関するとりまとめや分析、さらに現地協力機関が中心となった調査のための質問紙の作成に従事した。 昨年度に引き続き、ケニア共和国キツイ郡の農村部における家計内の人員の構成を消費力指数(C)、労働力指数(W)、世帯農業生産量(所有耕地面積、または経営耕地面積で代替)を算出し、それぞれの比率により家計内の消費力と労働力の関係を家計間で比較するとともに、Dietary Diversity Scoreを求め、食料の調達方法や、農地面積、世帯内指標などとの関係性を分析した。また、世帯ごとに栽培している作物の品目名、および品目数を把握し、それらと作付面積や世帯内の家族構造に密接に関連する労働力との関係、特に保有する総農地面積と労働力指数を制約とした栽培品目数の世帯間の差異、すなわち作付品目数に関する効率性の差異を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
先述のように、本年度も新型コロナウィルス感染症の影響により、現地調査を実施することができず、現地協力機関が収集したデータに関するとりまとめや分析に終始したため。得られた分析結果は以下である。 ケニア共和国キツイ郡の農村部における家計の世帯内指標とDDS(Dietary Diversity Score)の関係に関する分析を行った。より具体的には、DDSを被説明変数に、消費力指数の労働力指数に対する比率(CW比率:C/W 各家計内の単位労働力あたりの扶養すべき消費力量、すなわち家計内の労働力の労働負担)と農業生産量または耕作面積の労働力に対する比率(PW比率:P/W 単位労働力あたりの農業生産量または耕作面積、すなわち、より直接的に農業労働に関する家計内の労働力の労働負担)、さらにその2乗項を説明変数とする景気分析を行った。結果から、食料の購入がDDSの向上に寄与することを考慮すると、DDSが元々低い世帯では、農地を増やして食料を自給することがDDSの向上につながるが、必ずしも全ての世帯で農業生産を増やすことが適切であるとは限らないことが示唆された。したがって、農外収入を増やすことも有効でありDDSを向上させるために検討する余地があることが明らかとなった。また、帯内の労働力の状況と総作付面積を中心に検討し、保有する総農地面積と労働力指数を制約とした、栽培品目数の生産による効率性の世帯間の差異を数理最適化を実施することで、作付品目数、あるいはそれを達成するうえでの効率性に差があることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定では、今年度は、現地調査を実施するとともに最終とりまとめを行う予定であった。しかしながら、新型コロナウィルス感染症の影響で調査ができないなど、最終的なとりまとめにまで至らなかったことから、次年度に調査の一部を繰り越すこととした。これまで取得したデータの解析に加え、今年度、現地協力機関と進めた調査準備に基づき、新たにDataを取得し研究を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により、予定していた調査ができなかったため、次年度に調査を実施するとともに、それらに基づき、とりまとめ、 研究成果の発信を行う。
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