2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Anti-Bullying and Peace Education Program
Project/Area Number |
17KT0091
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
栗原 慎二 広島大学, 教育学研究科, 教授 (80363000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 眞治 比治山大学, 現代文化学部, 教授 (60112158)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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Keywords | 絶対的貧困 / 暴力 / 平和構築 / 問題焦点型対処 / 情動焦点型対処 / レジリエンス / 愛着 / キャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度はフィリピンにおいて,ストリートチルドレン保護施設(SPECS)での「愛着とレジリエンス形成プログラム」と,貧困地域に立つ私立学校(PEIS)での「体験型キャリア教育プログラム」の二つのプログラム開発と実践を行なった。2019年度は,まずそのデータ分析を行なって,プログラムの改善に取り組んだ。 「愛着とレジリエンス形成プログラム」については,子ども達の環境要因に働きかける観点からスタッフトレーニングの重要性が明らかになり,スタッフの関わり方についてのスーパーヴィジョンを4回行なった。また,子ども対象のプログラムについては協同性を促進するモジュールが欠けていたため,これを追加して,33回のプログラムとした。「体験型キャリア教育プログラム」では,2泊3日のキャリア体験ツアーだけではなく,フィリピンの実情を踏まえ,日常生活でのキャリア意識を高める取組として,Saving Money Projectを追加した。 フィリピン訪問は4回行ない,開発したプログラムを現地のコーディネーターの協力を得ながら実施した。「愛着とレジリエンス形成プログラム」の成果は,想像を超えて大きく,暴力行為や対人トラブルの大幅な減少だけではなく,学校適応の改善や学業成績の改善などの効果が見られた。「体験型キャリア教育プログラム」においては,キャリア意識の向上と日常生活において,キャリア形成を意識した行動の増加が見られた。こうした取組を通じて平和を志向する生き方教育としてのキャリア教育が生徒指導の根幹であることが示唆された。 成果については,現在,論文を投稿中であるとともに報告書を作成中である。また,「愛着とレジリエンス形成プログラム」と「愛着とレジリエンス形成プログラム」については,その実践プログラムの部分を書籍化し,タガログ語に翻訳して希望者に対して提供する予定である。
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