2018 Fiscal Year Research-status Report
強制的な政治体制転換の手段としての国家間戦争：理論と実証
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17KT0092
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| Research Institution | Waseda University |
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Principal Investigator |
大槻 一統 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (00779093)
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| Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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| Keywords | 戦争 / 戦後処理 / 民主化 / 復興 / 数理政治学 / 計量政治学 / 兵器選択 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
【論文１】昨年度の成果を踏まえ、国際戦争後に敗戦国が民主化されるメカニズムを解明する論文を完成させた。具体的には学会報告で得たフィードバックを活かす形で数理モデルの表現に修正を加え、また、実証分析部分でもデータの見せ方を変更した。本論文は英文査読誌での掲載を目指し投稿を開始している。
【論文２】論文１においては、戦勝国が敗戦国の民主化を試みる条件を明らかにしたが、強大な戦勝国であっても民主化の試みが必ず成功するとは限らない。そこで、論文１の結果を踏まえ、本論文においては、国内秩序と国家間関係の安定が国家建設を通じて達成される条件とメカニズムを解明することを試みる。具体的には、ISISの台頭やターリバーンとの長引く紛争に代表される、「国家間戦争によって引き起こされる国内・国際秩序の不安定」を抑止・解決するための方策を科学的な視点から引き出すことを試みる。本論文は理論に重きを置いたものであるが、数理モデルの土台が完成した。
【論文３】上述の論文１-２においては戦後の政治的復興プロセスにおいての民主化に着目したが、戦後の政治的復興と民主化には経済的復興が欠かせない。そこで、本論文では、戦後復興をより包括的な視点から分析するために、議論を戦中の経済的被害と戦後の経済的復興に拡張させた。具体的には、戦地の経済資源と戦中の被害のパターンの関係を理論的に説明し、カンボジア内戦を事例として、理論から得られた仮説群を検証した。本論文は英文査読誌への掲載が決定している。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトにおいては３本の論文が執筆されているが、全ての論文の理論が完成を見たと言って良い状況にある。また、そのうちの２本の論文について、実証分析を終えることができた。数理モデルによる厳密な理論の構築と、理論から得られた仮説の実証的な検証を組み合わせることにより、充実した論文が生産されていると考えることができる。また、１本についてはこの時点で既に査読誌への掲載が決定している。よって、本プロジェクトは順調に進展していると言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」の論文１に関しては、来年度は英文査読誌への投稿を行う。論文２に関しては、実際のケースについてのディスカッションに厚みを加えながら、英文査読誌への投稿を開始する。掲載の決定している論文３に関しては、プロダクションチームと連携しつつ年度の早い時期での掲載を目指す。
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| Causes of Carryover |
代表者の来年度からの所属先の変更が決定しており、移転作業における負担の増大を避けるために、予定されていた大きな物品（モニター、ファイルケース等）の購入を次年度まで持ち越すことにした。これらの物品は次年度の早い時点で購入する。
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