2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17KT0102
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 浩二 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (70647198)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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Keywords | E-Z異性化 / 遷移状態制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルケン類のE-Z異性化反応は可逆的な反応であり、一般的には熱力学的なE体アルケンが優先的に得られる。熱力学的にE体からZ体へ異性化させることは困難であり、この反応を達成する為には光反応が用いられている。一方で、光励起を必要としない、熱反応による異性化はほとんど例がない。本研究は、遷移金属二核錯体のアルケン類に対する付加反応と脱離反応過程における遷移状態制御を制御する事により、E-Z選択的異性化反応の開発を目的とする。 平成30年度は、パラジウム二核錯体に対するジエン類の付加反応・脱離反応の機構解明についてさらに検討した。その結果、いくつかのジエン類がパラジウム二核錯体に対し選択的に付加した後、選択的に脱離反応が進行しうるということを見いだした。Syn-脱離およびAnti-脱離それぞれから、Z体を主生成物として得られることが明らかとなり、条件によってZ選択的脱離およびE選択的脱離が進行することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パラジウム二核錯体に対するジエン類の脱離反応の機構解明について検討した結果、いくつかの機構によってジエン類がZ選択的に脱離するということが明らかになった。条件によってZ選択的脱離およびE選択的脱離が進行することは、添加剤の効果によってジエン類の脱離段階における反応機構が制御されていることを意味し、本研究目的の成果は着実にあげているものと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、Z選択的脱離反応の基質一般性について明らかにする。また、機構解明について、計算化学的手法を使いながら遷移状態の構造解明および選択性の起源について知見を得ることを目指す。
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Research Products
(3 results)