2019 Fiscal Year Research-status Report
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17KT0117
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
勝間田 弘 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (40579108)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2021-03-31
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Keywords | 国際関係論 / 東南アジア諸国連邦(ASEAN) / 非政府組織(NGO) |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度(H31/2019年度)も引き続き、理論の整理に多くの時間を費やした。主要な文献を網羅することにより、理論的な論点をまとめる作業を続けた。まず、これまでと同様に、社会学の制度論(historical institutionalism)・世界文化論(world culture theory)の分野で、重要度の高い文献に触れることができた。さらに、今回はNGO(non-governmental organization非政府組織)活動の一般的な理論について、多くの文献を入手して研究の可能性を拡大することができた。これらの分野における知見は、今回の研究課題を構成する理論的な土台となるであろう。 また、東南アジア諸国連邦(ASEAN)の事例研究にも取り組んだ。東南アジアの市民社会・NGO活動に関しては、楽観論者と懐疑論者それぞれが、独自の議論をしている。両者の議論が如何なる条件を前提に成立しているのかを特定する作業に、一定の時間を費やした。この作業は、グローバル・ガバナンスにおけるNGOの役割を考察するのに、大いに役立ったといえる。 今回の研究において重要になっている具体的な課題は、市民社会・NGO活動がASEAN外交に与える影響を明らかにすることである。市民社会・NGOは、公式レベルの政府間外交に、どのような影響を与えるのか。何か大きな影響を与えるのであれば、それを可能にする要因は何なのか。また、逆に、大きな影響を与えることがないならば、その背景にある阻害要因は何なのか。これらの論点について、引き続きASEAN憲章の制定(2007年)以降の動き参照しながら考察し、議論の幅を広げることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度(H31/2019年度)は一定の成果を出すことはできた。しかし、全体的には研究に若干の遅れが生じている。今後は、より計画的に研究を進めていく必要があるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
学務と研究のバランスを、好ましいレベルに維持することが必要だといえる。
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Causes of Carryover |
今年度は、学務が多忙であり十分に計画を遂行できなかったため、今後は、より計画的に研究を遂行していく予定である。
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