2022 Fiscal Year Annual Research Report
NGOs in the Developing World and Global Governance
Project/Area Number |
17KT0117
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
勝間田 弘 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (40579108)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2023-03-31
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Keywords | 東南アジア諸国連邦(ASEAN) |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度(R4/2022年度)は、理論的な論点と事例研究に関する論点の双方について、研究を発展させることができた。第1に、研究の土台となる理論に関連する諸問題について、多くの文献を参照しながら、研究を進めることができた。重点的にカバーした文献の詳細については、これまでと変わっていない。まず、社会学の制度論(historical institutionalism)・世界文化論(world culture theory)の分野で、重要度の高い文献をカバーすることができた。加えて、NGO(non-governmental organization非政府組織)活動の一般的な理論について多くの文献を整理して、研究の視野を拡大することができた。第2に、事例研究の対象である東南アジアの動きに関連する諸問題について、研究を前進させることができた。とくに、東南アジア諸国連合(ASEAN)の共同体形成に寄与する要因と、それを阻害する要因について、多くの知見を得ることができた。また、前年度から継続して、東南アジアの市民社会・NGO活動に関して、楽観論者と懐疑論者、双方の議論について理解を深めることができた。前者は、リベラリズムに依拠するグローバル規範の地域的な意義を念頭に置いて、市民社会・NGOが独立した活動を展開して地域ガバナンスの形態を再構成する可能性は高いと考える。後者は、東南アジア各国政府の権威主義的な統治およびASEANという地域組織の保守的な外交規範を念頭に置いて、市民社会・NGO活動が自律的に有益な活動を展開する可能性は低いと考える。今年度も継続して実施した、両者の議論を支える前提条件を特定する作業は、グローバル・ガバナンスにおけるNGOの役割を考察するのに役立ったといえる。
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