2019 Fiscal Year Annual Research Report
Mathematical understanding of pathological transition observed in heart rate variability
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17KT0127
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清野 健 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40434071)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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Keywords | 心拍変動 / 複雑系ゆらぎ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) ウェアラブルセンサを用いた代謝当量および安静時心拍数の推定法の開発 前年度までは,心拍計測用のウェアラブルセンサとして,主に肌着型のデバイスを用いてきた.本年度は,腕時計型,および,耳たぶクリップ型のデバイスについて,代謝当量(METs)の推定アルゴリズムを開発した.さらに,日常の活動中に計測された心拍数と推定代謝当量の関係性を用いた安静時心拍数の推定法を開発した.肌着型,腕時計型,耳たぶクリップ型において,センサタイプが異なっても,ほぼ同一の評価結果がえられることを確認した. (2) 日常の心拍モニタリグに基づく心機能評価 心疾患の生命予後の予測因子として,心拍変動特性だけでなく,身体活動量の有用性が指摘されている.日常生活中の身体活動量は心拍変動特性に影響を与えるため,身体活動量と心拍変動が独立したリスク因子とは考えられない.そこで,本研究では,身体活動量の増加にともなう心拍数の増加を定量化することで,心機能を評価する方法を検討した.ここでは,ホルター心電計ではなく,安価に日常生活中に毎日使用できるウェアラブルセンサを用いて計測される,心拍数と3軸加速度データを用いることを想定した.数千人の健常人データを用い,身体活動量と心拍数の非線形な関係を表す数理モデルを構築した.このモデルのパラメタを心機能の評価指標として活用できるかどうかを検討した.本研究の評価指標は,心疾患患者に対する簡易フレイル指標と相関することが見いだされた. (3) 長時間相互相関解析の方法論の開発 心拍変動などの生体信号は長時間相関と呼ばれる特性を有する.ここでは,心拍数と呼吸数,心拍数と身体活動量といった2変数間の長時間相互相関特性を解析するための新たな方法を開発した.この解析の数学的基盤を与える理論を構築した.
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Research Products
(7 results)