2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of tactility shaping 'world'
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17KT0135
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 はま 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任准教授 (00512120)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2022-03-31
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Keywords | 乳児 / 触覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
触覚が環境の中で生きるための「触知性」として発達し、身体を用いた触コミュ ニケーションにつながる過程を明らかにすることを目指し、前年度までに乳児の日常生活における触覚を伴うコミュニケーションに関する調査(2017年度)、「だっこ」の状況下での触経験を定量的に理解するための計測環境の確立(2018、2019年度)に取り組んできた。2020年度以降は、COVID-19の影響により研究協力者の乳児およびその養育者に大学の研究室にいらしていただくことが不可能となった。その中で、これまでに計測したデータの論文化に注力し、乳児が物理的な環境との皮膚接触をともなう相互作用によって成立する寝返り運動の発達に関する論文および触覚・体性感覚と音声フィードバックの連関による行動変化に関する論文を発表することができた。また、家庭内で触知性の発達過程を観察・計測するために、触覚・圧力センサーを導入し、覚醒状態における乳児と物理的環境の相互作用時、乳児と他者のコミュニケーション時(さする、タップするなどの皮膚接触時)、および睡眠状態における乳児と他者のコミュニケーション時(揺らす、さするなどの皮膚接触時)に関して、乳児の皮膚に貼付した圧力センサーにて、皮膚に生じる圧力状態をリアルタイム計測することに成功した。また本センサーは、乳児から発せられる皮膚接触によって他者の皮膚に生じる圧力状態を検出することもでき、さらに乳児(あるいは他者)の感じているものと同様の圧力状態を、他者(あるいは乳児)にフィードバックすることも可能であるため、両者の触コミュニケーションを定量的に得ることができ、本研究の目的を果たすことができた。
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Research Products
(2 results)