2019 Fiscal Year Annual Research Report
Acoustic information transmission system for tele-work environment considering "copresence"
Project/Area Number |
17KT0137
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大谷 真 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40433198)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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Keywords | テレワーク / 共在性 / 聴覚空間情報 / 頭部位置センシング / バイノーラル再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
遠隔会議システムなどのテレワーク環境では音情報の収録・再生に単一あるいは少数のマイクロホン及びスピーカが用いられており,テレワーク環境によって仮想的に拡張された空間における発話者の位置情報は失われる。聴覚が有する音源定位能力によって得られる空間情報は空間内での他者との共在性を獲得する上で重要な役割を果たしているが,現状のテレワーク環境では他者と空間を共有しているという感覚を得ることが難しく,共在性の獲得という面で課題を有している。そこで、本研究では,テレワーク環境において,音源としての発話者の位置情報を含めた聴覚空間情報を受聴者に伝達することで,テレワーク環境の利用者が「共在性を獲得可能な音情報収録・伝達・再生システムの構築を試みる。今年度得られた成果は下記の通りである。 「D-1 テレワーク環境のプロトタイプ構築」:当初計画では、前年度に構築した音情報伝達システムを2つ用いて、遠隔地にある2つの空間を接続可能なテレワーク環境のプロトタイプを構築することとしていたが、モーショントラッカーの不足により実施しなかった。代替手段として、2つの空間のうち1つを仮想的なシミュレーション空間としてプロトタイプを構築した。 「D-2 テレワーク環境の性能評価」:構築したプロトタイプの仕様変更に伴い、本項目で検討する評価項目を「テレワーク環境における発話者の位置情報の再現の有無による共在性の獲得の程度の定量的比較」とし実験を行った。実験においては、共在感の評価を行うために発話者の位置情報の聴覚的再現の有無により社会的サイモン効果が生じるかどうかを検討した。実験結果より、発話者の位置情報を聴覚的に正確に再現した場合に社会的サイモン効果が生じる傾向が観測され、聴覚による空間情報が他者との共在感に影響を与えている可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)