2019 Fiscal Year Annual Research Report
Acoustic features of language as social marker: evolutionary backgrounds and development
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17KT0139
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋弥 和秀 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (20324593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 洋美 九州大学, 人間環境学研究院, 学術協力研究員 (30464390)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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Keywords | 間投詞 / コミュニケーション / 模倣 / 意図伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、音声学や心理学における議論と行動生態学的知見とを融合した観点から言語音声情報の異同が同性・異性選択の手掛かりとなる情報として機能する可能性を見出し、その妥当性を検討することを目指す。具体的な研究目標は、言語音声特徴の異同が話者の所属コミュニティを示す「正直なシグナル」(学習に多大なコストを要するために”嘘”が侵入しにくい)として機能するという新たな仮説をもとに、社会的側面と性選択的側面、および発達的側面から多角的な検証をおこなうことにある。特に、言語アクセントの知覚が対人魅力評価および配偶者選択に及ぼす影響をあきらかにすることで、ヒト社会の結着剤としての機能を音声言語コミュニケーションが担うようになった進化的背景を解明し、言語音声を情報伝達にとどまらない広い生物学的観点から理解する新たな研究展望を拓く端緒を提供する。 2019年度は、東京大学で開催された日本語用論学会の招待シンポジウムをオーガナイズするとともに発表者としても登壇し、成果を発表した。また、分担者の小林は関連の学術論文を含む学術論文を広く紹介する著書(「モアイの白目」東京大学出版会)を出版し、社会的なアウトリーチをおこなった。オラリティの問題として注目し、大学院生とともに実験を遂行してきた「コミュニケーションにおける間投詞の機能とその獲得過程」に関して得た、幼児が動画に随伴した間投詞によって選択的な模倣をおこなうという結果については、昨年度投稿した内容を修正し、追加実験を行って再投稿の準備作業を継続している。また、社会的場面での評価手掛かりに関して、物理的な上下関係の提示が1歳児期ですでに影響を及ぼすという新たな知見を英語学術論文として英国王立協会誌に掲載した。
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[Book] モアイの白目2019
Author(s)
小林 洋美
Total Pages
304
Publisher
東京大学出版会
ISBN
ISBN978-4-13-013313-5
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