2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of photoinduced hydrogen production system using cellulose nanofiber substrates
Project/Area Number |
17KT0146
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 政晴 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20571219)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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Keywords | セルロースナノファイバー / 光水素生産 / 触媒 / 透明基材 / 光増感剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、木材をナノレベルまでほぐしたセルロース繊維(セルロースナノファイバー)は、その特徴的な物性から様々な分野で応用されつつある。例えば、鉄よりも軽く5倍の強さを示すことから構造材料への利用、高い透過率を示すことから光学材料への利用、高い遮断性によるガスバリアフィルムへの利用などが進められている。新しく発見、開発された農資源であるセルロースナノファイバー(CNF)の利用を進めることは、次世代の農資源利用に大きく貢献できる。そこで、本研究では、光水素生産反応に関連した触媒分子群をCNFへ吸着させた後に、CNFを集積化、透明基材を作成し、電子供与体を含む水溶液中での光水素生産システムの構築を行なう。 2018-2019年度では、CNFとTEMPO酸化されたCNFをそれぞれ用いて、触媒分子群の吸着特性評価と基材化の方法、光水素生産システムの評価を行なった。繊維系の細いTEMPO酸化されたCNFの方が、CNFよりも高い透過率を示す基材を作成可能であったため、2020年度では、触媒を担持したTEMPO酸化CNFを基材化し、光誘起による水素生産反応を進めた。光水素生産反応に関連する複数の触媒を担持させたTEMPO酸化CNFを基材化し、電子供与体を含む水溶液に浸け、大気下、疑似太陽光を照射することで生産された水素をガスクロマトグラフィーで確認した。光誘起による水素生産を確認したことで、触媒反応サイクルがはたらくことを証明できた。しかしながら、発生した水素量は、反応系内に含まれる光増感剤分子よりも少ないため、光増感剤を基準にした触媒回転数では、0.8と1に満たないこと、光水素生産反応中に光増感剤がTEMPO酸化CNFから脱離するなどの問題がみられたため、実験系の改善を必要とした。
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Research Products
(4 results)