2018 Fiscal Year Research-status Report
農業における新たな担い手としての障害者就労に向けた作業支援評価の開発
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17KT0150
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
塩田 琴美 早稲田大学, 重点領域研究機構, その他(招聘研究員) (50453486)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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Keywords | 農業 / 障害者就労支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年では都市近郊の農業地域を中心に人手不足が社会課題となっており、障害者を生産活動の場に取り込む試みが実施されている。障害者が農作業を行うにあたっては、作業工程管理や支援方法など農作業と障害者の能力との適切なマッチングが重要とされているが、生産活動の場においては未だ手探りの状態である。本研究課題では、こうした点における課題解決を図るために、農作業と障害特性を合わせた形で簡易的に用いることができる作業評価指標の開発を行うことを目的としている。さらに、その支援法を具体化することで障害者雇用の促進を図り、農業の新たな担い手としての障害者就労の持続的な社会システムの構築をするための基盤作りの提案を行う。 本研究は3年間を通して、研究課題1.障害者の農作業時の行動観察による作業内容の検討、研究課題2.作業所・施設スタッフへのインタビュー調査(質的評価)および研究課題3.農作業の作業支援評価指標の開発の3つの課題について実施する。H29年度は、農業を取り入れた就労支援事業所の利用者を対象とし、ビデオカメラおよび対象者の頭部もしくは胸部に作業時の小型カメラを装着し、種付けや収穫の時期別に1週間の測定を行った。その後、障害者の農作業の行動観察を行い障害特性に合わせた形での農作業の作業内容の類型化を行った。さらに、類型化した利用者の作業内容について、身体活動量計から得られたデータと作業時に相当する強度について分析を実施した。H30年度は、作業所・施設スタッフを対象としたインタビュー調査(質的評価)を実施し、障害者が農作業を行うにあたっての課題面や課題を克服するためのサポート方法について分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、研究課題1の農作業時の撮影した動画データに基づき、利用者の作業内容の分析および活動量計から得られたデータと作業時に相当する強度について分析を行った。今年度は、研究課題2の作業所・施設スタッフへのインタビュー調査(質的評価)について調査を実施し、概ね研究計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究課題1で撮影した動画データに基づき、利用者の作業内容の分析および活動量計から得られたデータと作業時に相当する強度について分析をし成果発表を行う。さらに、今年度実施した研究課題2.作業所・施設スタッフへのインタビュー調査(質的評価)のカテゴリー化等、今年度予定している研究課題3.農作業の作業支援評価指標の開発について実施を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究を実施していく中において、障害特性の類型化を行う際にさらに詳細な検討が必要となった。そのため、動作解析を行う上でのシステムについても、より本研究に即したシステムするには日本工業大学の教員から専門的な知見を頂く必要もあり、当初予定していた仕様のものに変更を生じたため。
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Research Products
(8 results)