2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18001001
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小宮山 真 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 教授 (50133096)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅沼 浩之 名古屋大学, 工学系研究科, 教授 (20282577)
須磨岡 淳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (10280934)
|
Keywords | 核酸 / 遺伝子 / ゲノム / バイオテクノロジー / 制限酵素 / 遺伝子操作 / ペプチド核酸 / セリウム |
Research Abstract |
本年度は、(i)スーパー制限酵素(Artificial Restriction DNA CUTter; ARCUTの)に関する基礎的知見の確立と(ii)ARCUTを用いた巨大DNAを操作する技術の完成とを目的として研究を行った。具体的には以下の通りである。 ARCUTを用いて、λファージゲノムDNA(約4万8千塩基対)中の所定の位置を選択的に切断することに成功した。さらに、ARCUTを用いたアデノウィルスゲノム(約3万5千塩基対)の遺伝子組換えに着手した。また、モデル系(一本鎖DNAに対して、二本のDNAでギャップを形成し、これをCe(IV)錯体により選択的に切断する系)を用いてPNAの化学修飾による切断効率と選択性の向上についての検討を行った。その結果、系に添加する二本のDNAの末端を修飾してギャップ部位近傍に複数のリン酸基を配置するように設計すると、切断効率が著しく向上することを見出した。 また、ARCUTのターゲット配列を拡張するためにターゲットDNAの認識部位についても種々の検討を加えた。その結果、ある特定の条件において一本のpseudo-complementary PNA(pcPNA)のみでも二本鎖DNA中にインベージョンし、ここに切断触媒であるCe(IV)/EDTA錯体を加えることにより、塩基配列選択的な二本鎖DNA切断が実現することが明らかになった。本系は、従来の二本のpcPNAを加える系と比較して単純な系であり、今後様々な応用が期待される。さらに、染色体の末端に存在し細胞の寿命時計として機能するテロメアをターゲットとした人工DNA切断酵素を構築することを意図して、G-カルテット構造を形成してヒトテロメア配列に結合する修飾核酸にCe(IV)と相互作用する配位子を導入した。さらに、これとCe(IV)錯体を用いることにより、ヒトテロメア配列を選択的に切断する人工DNAカッター系の開発に着手した。
|
Research Products
(28 results)