2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18001001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小宮山 眞 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 教授 (50133096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅沼 浩之 名古屋大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20282577)
須磨岡 淳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (10280934)
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Keywords | 核酸 / 遺伝子 / ゲノム / バイオテクノロジー / 制限酵素 / 遺伝子操作 / ペプチド核酸 / セリウム |
Research Abstract |
本年度は、スーパー制限酵素の構成要素であるペプチド核酸(PNA)を修飾することにより、スーパー制限酵素のさらなる高機能化を図った。また、スーパー制限酵素を用いて得られるDNA切断断片と容易に結合可能なDNA断片の新規な調製法を開発した。具体的には、以下の通りである。 1. モデル系(一本鎖DNAに対して、二本のDNAを用いてギャップを形成し、これをCe(IV)錯体により選択的に切断する系)に関する詳細な検討を行った。その結果、加える二本のDNAの末端にポリリン酸系の配位子を修飾すると、Ce(IV)錯体がギャップ部位近傍に濃縮され、従来の系(モノリン酸修飾)と比較して低いCe(IV)錯体濃度においても、非常に選択的かっ効率的な切断が実現することを明らかにした。 2. スーパー制限酵素は、PNAによりターゲット部位の認識を行っている。ここで、二本のPNAを二本鎖DNAに効率的にインベージョンさせるためには、PNA中の核酸塩基のAおよびTに対して修飾を施す必要があることが知られている。しかし、これらの修飾PNAを用いても、G-C塩基対の含量が極端に高い部分にPNAをインベージョンさせることは困難であった。そこで、正電荷を有するPNAのモノマーを用いて、正電荷を導入したPNAを合成した。これらのPNAを用いると、静電的な効果によりPNA-PNA二本鎖は不安定化し、DNA-PNA二本鎖は安定化する。その結果、高いG-C塩基対含量の配列に対してもPNAが効率的にインベージョンすることを見出した。 3. ワトソン・クリック塩基対形成の際に重要な核酸塩基Tの3位に光により脱保護可能な保護基を導入したDNAオリゴマーをプライマーとして、ポリメラーゼチェインリアクションを行うことにより、長い5'突出末端を持つDNA断片を調製することに成功した。さらに、これらのDNA断片は、スーパー制限酵素の切断断片と容易に再結合可能が可能であることが明らかになった。
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Research Products
(36 results)