2006 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレント状態と固体量子ビットに基づく量子情報処理の研究
Project/Area Number |
18001002
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
山本 喜久 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 教授 (60370102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 香絵 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 助教授 (80370104)
伊藤 公平 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30276414)
仙場 浩一 日本電信電話株式会社, NTT物性科学基礎研究所・量子電子物性研究部, 超伝導量子物理研究グループリーダー (50393773)
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Keywords | 量子コンピュータ / 超高速情報処理 / 微小共振器 / 光物性 / 超伝導材料・素子 / 電子スピン / 磁気共鳴 / Cavity&circuitQED |
Research Abstract |
半導体素子グループI(国立情報学研究所・山本)では、半導体中の電子スピンのゼーマン準位と束ばく励起子準位の間でラムダ形の3準位原子を形成し、これをモノリシックマイクロキャビティに閉じ込めた共振器QEDシステムを量子ビットとする量子コンピュータの構成法について検討を行った。また電子スピンの量子状態を単一光パルスで高速に制御する方法を考案した。 理論グループ(国立情報学研究所・根本)では、コヒーレント光とCavityの中に閉じ込められた量子ビット系を実際の実験的な数値に照らしてモデル化し、誤りレートやゲートの成功確率などを詳しく調べるとともに、ゲートの改良やパフォーマンスの理論的な解析を行った。Qubus量子計算では系のもつ特性に合わせてゲートを構成することが可能であることがわかった。クラスターステートの方法への拡張では、従来の方法に比べて本質的に異なる量子情報処理効率を示すことなどが明らかになった。 半導体素子グループII(慶応大学・伊藤)においては、電子・核スピン磁気共鳴装置の構築にむけて既存の日本電子社製電子磁気共鳴装置FA-200を改造し、パルス照射による10msec以上の電子スピン量子操1作を可能にし、電子スピンの縦および横緩和時間を測定できる装置を完成させた。また、シリコン量子通信の実現にむけて発光量子効率が極めて高いベリリウムを添加したシリコン試料の作製に成功させ、その発光を定量的に液体ヘリウム温度で測定する評価装置の構築を行なった。 超伝導磁束量子グループ(NTT研究所・仙場)においては、超伝導量子ビットを用いたCavity&circuitQED実験準備の一環として、磁束量子ビット・超伝導LC共振回路系における真空ラビ振動の時間領域測定を行った。この系が、cavity&circuit QED実験実現の鍵を握るいわゆる強結合条件を満たしていることを確認した。
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Research Products
(10 results)