2009 Fiscal Year Annual Research Report
非線形誘電率顕微鏡を用いた次世代超高密度強誘電体記録
Project/Area Number |
18002005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長 康雄 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (40179966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平永 良臣 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (70436161)
金 暢大 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (80418269)
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Keywords | 走査型非線形誘電率顕微鏡 / 強誘電体 / ドメイン / 強誘電体記録 / 超高密度記録 / プローブメモリ |
Research Abstract |
今年度は強誘電体記録の研究に於いてはナノスケールの記録ビットを正確に書込読み取るのに必要不可欠な技術であるサーボトラッキング法の開発を行った. 具体的には,データの記録再生を行う前に,サーボ領域内で一致溶融組成LiTaO_3(CLT)記録媒体にサーボマークとして部分的に分極を反転させ,周期分極構造を作製した.次に,このライン状のサーボマークを基準として,SNDMからの出力が0 Hz/Vになるような自動制御を行いながら64×64点からなる実データの記録再生を行った.これを言い換えると記録再生ヘッドにサーボマーク(周期分極構造)のドメインバンダリ上を走査させるという制御方法である.このとき補償回路は動的PID法を応用して構成した.ビット間距離は25.6nmであり,密度に換算して1Tbit/inch^2のデータ記録である. 直径が20nm程度という微小なドットであるにも関わらず記録再生ヘッドがトラック列中央を走査し,所望の機能を果たしていることが確認された.このとき,書き込んだビット総数とビット誤りを起こしたビット数から算出されるビットエラーレートは,1.7×10^<-3>と算出された. 次に制御信号と目標値の差分で表されるエラー信号の評価を行った.実験で用いたデータ記録再生システムにはSNDMに重畳するノイズが存在するため,サーボ信号は必ずしも0 Vにはならないものの,時間を十分とると,0 Vに漸近していくことが分かった.さらにサーボラインのラインプロファイルを参考にヘッドの位置精度を求めた.ノイズが存在するため正確な精度は不明であるが,大きく見積もったとしても目的位置に対して2nm_<pp>程度の範囲内にヘッドを移動させることが可能であるという結果を得た.
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