2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18002010
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉立 徹 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80144806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志垣 賢太 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70354743)
三明 康郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (10157422)
浜垣 秀樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (90114610)
稲葉 基 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (80352566)
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Keywords | クォーク物質 / フォトン物理 / ALICE実験 / クォークグルーオンプラズマ / PHOS検出器 / LHC加速器 / 高エネルギー重イオン衝突 / 極初期宇宙 |
Research Abstract |
欧州CERN研究所LHC加速器高エネルギー原子核衝突ALICE実験において、鉛タングステン酸単結晶電磁カロリーメータ(PHOS検出器)の建設及び運用に責任を分担するとともに、同検出器により初めて実現される高分解能フォトン物理を推進した。平成22年3月から衝突エネルギー7TeVの陽子+陽子衝突実験データを収集し、引き続き同年11月から約1ヶ月、核子対あたり2.76TeVの鉛+鉛原子核衝突実験データを収集し、史上最高エネルギーのLHC加速器初年度データ収集を成功裡に完遂し、以下の研究成果を達成した。 1.大学院生の参加協力も得てデータ収集の責任分担を担いながら、陽子衝突データを解析し、PHOS検出器により収集した光子データのエネルギー較正及び品質管理を実施した。その結果、PHOS検出器は中性パイ中間子に対して5.2%の不変質量分解能を達成し、現状の統計精度で得られる充分優れた性能であることを確認した。 2.広島大グループが中心となり陽子衝突における中性パイ中間子生成の運動量分布を世界に先駆け解析し、QCD理論予想分布と比較した結果、QCD理論は約20%過大予想することを明らかにした。現在、論文公表の最終段階にある。 3.同グループは、鉛原子核衝突における中性パイ中間子生成の運動量分布及び原子核抑制因子R_<AA>を世界に先駆け解析し、本年5月に開催される当該分野で最も権威ある国際会議QM2011にて公表を予定する。 4.中性パイ中間子生成のデータ解析が順調に進展していることを受け、同グループは、陽子衝突及び鉛衝突における単光子輻射のデータ解析に着手した。 5.ALICE実験地域データ解析拠点(JP-HIROSHIMA-WLCG)は、計算機資源を強化しながら上記データ解析国内活動を強力に支援するとともに、グローバルなデータ解析活動に多大な貢献を果たした。
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Research Products
(14 results)