2008 Fiscal Year Annual Research Report
高次環境調和型反応の開発-反応空間と触媒機能の同調的相乗化-
Project/Area Number |
18002011
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
香月 勗 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 教授 (40037271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 健 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30235105)
内田 竜也 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (50380564)
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Keywords | 環境調和 / 過酸化水素水 / 分子状酸素 / 光活性化 / エポキシ化 / 光分子デバイス / 水素生成触媒 |
Research Abstract |
本研究の目的は、1)ニトロシルルテニウムサレン錯体が触媒するアルコールの酸素酸化に関して、その律速段階を制御する因子を明らかにし、得られる知見を基に新たなニトロシルルテニウムサレン錯体を導入して、アルコールの酸素酸化の効率並びに選択性を飛躍的に向上させること、2)他の新規錯体を構築し、環境調和型の不斉酸化反応の開発を行うことである。 筆者らのアルコールの酸素酸化反応では、酸素分子への1電子移動によりルテニウムイオン上にスーパーオキシド種が生成する。そこでルテニウムイオンのアピカル位に水分子を導入して、水素結合形成によって生じたスーパーオキシド種を活性化させ、求核剤を酸化することを試みた。これにより、酸素分子から基質(求核剤)への直接的酸素原子移動を高エナンチオ選択的に行えるものと期待した。実際に、不斉スルホ酸化では90%ee以上の高エナンチオ選択性を達成することができた(未発表)。 分子状酸素を酸化剤に用いることのできる不斉酸化触媒の開発が進んでいるが、その中心金属には上記の筆者らの錯体を含めRu, Pd, V, Cuなど埋蔵量の小さな金属が専ら利用されている。持続型社会の実現に向け、埋蔵量の多い鉄を用いた不斉酸化触媒の開発が課題となっている。今回、低いイオン化ポテンシャルをもつ鉄-サラン錯体に着目して研究を行い、空気雰囲気下で2-ナフトールの酸化的不斉カップリング反応を高エナンチオ選択的に行うことができた。鉄錯体を用いて不斉酸素酸化を行った最初の例である。 光学活性なエポキシアルコールは重要な合成中間体であり、アリルアルコールの不斉エポキシ化はその有用な合成法である。高エナンチオ選択的な方法が既に数例報告されているが、いずれも酸化剤としてアルキルヒドロペルオキシドの利用を必要とする。今回、ニオブ-サラン錯体を用いて、酸化剤に有効酸素含有量の大きな過酸化水素を用いる不斉エポキシ化を初めて達成することができた。
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Research Products
(83 results)
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[Journal Article] Diaqua(1, 4, 7, 10, 13-pentaoxacyciopentadecane)iron(II) bis(μ-cis-1, 2-dicyano-1, 2-ethyl enedithiol ato)bis[(cis-1, 2-dicyano-1, 2-ethylenedithiolato)ferrate(III)]1, 4, 7, 10, 13-pentaoxacyclopentadecanedisolvate2008
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