2006 Fiscal Year Annual Research Report
キネシンモーター分子群による細胞内物質輸送の分子機構:構造、機能,動態及び制御
Project/Area Number |
18002013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣川 信隆 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 教授 (20010085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 隆夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50218004)
金井 克光 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80214427)
野田 泰子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50262019)
武井 陽介 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20272487)
岡田 康志 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50272430)
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Keywords | 分子モーター / キネシン / 微小管 / 細胞内物質輸送 / 分子細胞生物学 / 分子遺伝学 / 構造生物学 |
Research Abstract |
1.新しいモーター分子の構造と機能の分子細胞生物学的解析。主に13種のKIFについて細胞内での機能を明らかにするため、全長配列の同定、発現様式の解析、抗体の作成、結合蛋白の解明、RNAiによる発現阻害による機能阻害等の分子細胞生物学的解析を行っている。 2.モーター分子によるcargoの認識・結合およびその制御機構。制御機構の有力な候補として、グルタミン酸受容体を輸送するKIF17についてはリン酸化による制御を明らかにしつつある。また幼若神経細細に多く発現されるKIF4が核内でPARP1と結合しPARP1の活性を抑制するが神経細胞の活動依存性にCaM kinaseIIによりPARPがリン酸化されるとKIF4からはずれPARP1は活性化し、KIF4は核から出てモーター分子として働くことを明らかとした。モーター分子が活動依存性に神経細胞の生存をコントロールする分子スイッチであることを明らかにした。(Midorikawa, et. al. Cell 2006) 3.モーター分子の機能の分子遺伝学的解析。新しく同定されたKIFについてそのKOマウスを作成し、すでに樹立されたKIFKOと共にその表現型の解析を分子細胞生物学的手法を駆使して行っている。 4.モーター分子によるmRNAの輸送機構の解明。GST pull-down法を用いて解離させたタンパクーRNA複合体から直接KIF5に結合するタンパク質を単離同定し、そのタンパク質とKIF5との結合部位を決定した。神経機能とmRNAの輸送の関係を解析している。 5.モーター分子の作動機構及びcargoの結合機構の構造生物学的・生物物理学的解析。電子顕微鏡:モーター分子KIFの動きの仕組みの解明の為には、レールである微小管との相互作用の解析が不可欠である。この目的には、クライオ電子顕微鏡が非常に有効である。電解放射型透過型電子顕微鏡を用い精度の高い画像解析により、2次構造に迫る10Åの解像度を達成した。(Kikkawa & Hirokawa EMBO J2006)
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Research Products
(4 results)