2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18002016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡村 均 Kyoto University, 薬学研究科, 教授 (60158813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増渕 悟 神戸大学, 医学系・研究科, 助教 (80362771)
江本 憲昭 神戸大学, 医学系・研究科, 助教 (30294218)
土居 雅夫 京都大学, 薬学研究科, 講師 (20432578)
飯郷 雅之 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (10232109)
中原 大一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80128389)
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Keywords | 時計遺伝子 / 視交叉上核 / ヒートショックプロテイン / 喘息 / サーカディアンリズム |
Research Abstract |
我々は、時計遺伝子に結合する蛋白質の解析から、新規転写修飾因子を見つけた。また生体リズムの中枢であるマウス視交叉上核の網羅的解析から、GPCRを介する伝達反応に関与する遺伝子を採取し、ノックアウトマウスを作成し、新しい時計関連酵素を発見した。視交叉上核の細胞の一個一個を時間素子とみなす時間的空間的解析より、背内側部の細胞では周期が短く位相が早く周期や振幅にも位置依存性が見つかり、ヘテロな細胞集団であることを明らかにした。視交叉上核では多くの蛋白質の日内変動が見られるが、今回シャペロンとして知られるhsp90蛋白であるhsp86, hsp84が夜高の著明な日周リズムを示すことを明らかにした。視交叉上核の出力解析では、以前、光に対して副腎皮質ステロイドが反応して血中に放出されることを報告したが、今回細胞系を使い、末梢血中のステロイドホルモンは全身の細胞に到達し、ステロイド受容体を介してリズムを伝達することを明らかにした。また、実際体で時計が働いている臓器(呼吸、循環、消化器系)では迷走神経の支配が強いと言われているが、今回、交感神経系をすべて除神経しても臓器のリズムは持続したが、迷走神経を頚部で片側切断すると、対側(健常側)では24時間リズムが見られるものの、切断側(患側)では、粘液を含むリズムが消失することを明らかにした。以上の結果は、昼夜分かたず活動する現代で社会問題化している睡眠覚醒障害の解明や日内変動する症状を示す喘息機構に時計遺伝子が関与する機構の一端を示したものと考えられる。
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