2006 Fiscal Year Annual Research Report
個体レベルでがん化プロセスを探る病態イメージングマウスの構築と解析
Project/Area Number |
18011004
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 科江 京都大学, 医学研究科, COE助教授 (40314182)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 玄 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (40243258)
|
Keywords | HIF-1 / 病態イメージング / がん化プロセス / 光イメージング / 低酸素 |
Research Abstract |
腫瘍内部に慢性的に存在する低酸素がん細胞は、がん治療に抵抗性を示し、治療不良や再発の原因であることが示唆されていると同時に、腫瘍全体の悪性化に深く関与し、悪性度の高いがんで多く存在することが最近の研究で明らかになった。悪性化の主因と考えられているのが、低酸素誘導転写因子HIF-1である。正常組織では存在しない様な低酸素状態やがん遺伝子の機能亢進といった異常な状態に応答して活性化されるHIF-1は、微小ながんにも存在するため、このHIF-1活性を生体レベルでモニタリングし、発がんプロセスを生体レベルで解明することが本研究の目的である。HIF-1応答性プロモーター(5HRE)に化学発光酵素ルシフェラーゼと酸素依存的分解ペプチドODDを融合した5HRE-ODD-Luciferaseレポーターベクターを、全身に持つトランスジェニックマウス(ODD-Tg)を構築しており、平成18年度は、構築したマウスにおけるHIF-1活性のモニタリング感度を、以下のような実験で評価した。(1)ODDを介する酸素依存的分解機構阻害試薬を投与し、一定時間後に化学発光イメージングで、HIF-1活性をモニタリングしたところ、1時間前後で、HIF-1活性がピークに達し、徐々に減少していくことがわかった。(2)虚血性処置として、下肢動脈の一部を外科的に閉塞し、下肢のHIF-1活性をモニタリングしたところ、虚血部が徐々に広がっていくところが観察できた。(3)冠動脈の結さつによる急性虚血モデルでも、虚血部が徐々に広がってくところが観察できた。以上の結果から、ODD-Tgを用いることにより、身体深部のHIF-1活性を感度良くモニターすることができ、HIF-1活性が重要なインディケーターになりうる疾患の病態イメージングが可能になることが示された。したがって、ODD-T gを用いることにより、本研究の目的である、「がん化プロセスを生体レベルで解明する研究」を遂行することが可能であるといる評価結果を得ることができた。
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] Sleeping Beauty Transposon-Based Phenotypic Analysis of Mice : Lack of Arpc3 Results in Defective Trophoblast Outgrowth.2006
Author(s)
Yae, K, V-W.Keng, M.Koike, K.Yusa, M.Kouno, Y.Uno, G.Kondoh, T.Gotow, Y.Uchiyama, K.Horie, J.Takeda
-
Journal Title
Mol.Cell Biol. 26(16)
Pages: 6185-6196
-