2007 Fiscal Year Annual Research Report
個体レベルでがん化プロセスを探る病態イメージングマウスの構築と解析
Project/Area Number |
18011004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 科江 Kyoto University, 医学研究科, COE准教授 (40314182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 玄 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (40243258)
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Keywords | HIF-1 / 病態イメージング / 発がん機構 |
Research Abstract |
固形腫瘍内部に慢性的に存在する低酸素がん細胞は、治療不良や再発の原因であると同時に、腫瘍全体の悪性化に深く関与し、悪性度の高いがんで多く存在することが最近の研究で明らかになった。悪性化の主因と考えられているのが低酸素誘導転写因子HIF-1で、病的な低酸素状態やがん遺伝子機能の亢進といった異常な状態に応答して活性化されるHIF-1は、微小ながんにも存在することが分かっている。従ってこのHIF-1活性を生体レベルで、しかもリアルタイムでモニタリングすることができるトランスジェニックマウスを用いて観察すれば、何時、どこで癌が発生し、どのように広がっていくかという発がんプロセスを生体レベルで解明することができると考えられる。 一昨年B6(Cg)-Tyrc-2J/JのB6のバックグラウンドをもった白いネズミとの交配を実施し、白いRas-H2マウスを構築した。Ras-H2マウスは遺伝子的にはB6バックグラウンドを持ち黒い毛をしているが、黒は光を吸収してしまうため、光イメージングには適さないためである。昨年度は、1)Ras-H2(白)とODD-Tgとの交配を行い、F1マウスにおける光イメージングを開始した。2)早期発がんの光イメージングRas-H2マウスは化学発がん剤(例えばMNU)を投与することで、26週以内にがんを発症することが知られている。マウスの外部から観察される乳頭腫等のがんの観察は26週よりも早期にみられることがあるが、実際に乳頭腫ができた状態で解剖すると、内臓にかなり大きながんができている場合があり、内部のがんを早期に見つけることができれば、超早期発がんを評価することができる。そこで、Ras-H2とODD-Tgマウスとの交配により構築した白のRas-H2マウスでMNUを投与し、発がん性を調べた。その結果、黒のRas-H2マウスとほぼ同様に発がん性が観測された。
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Research Products
(23 results)