2006 Fiscal Year Annual Research Report
可視化プローブの創製によるがん化プロセスのイメージング
Project/Area Number |
18011005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊地 和也 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (70292951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水上 進 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (30420433)
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Keywords | 蛍光センサー / 可視化 / 生体内分子 / MRI / マーカー遺伝子 / がん化プロセス / 蛋白質修飾 / イメージング |
Research Abstract |
本研究はがん化プロセスのマーカーとなる生体内分子を可視化するためにプローブ分子を作製して個体や細胞におけるがん化プロセスをイメージングることを目的とする.この研究によって,個体や細胞をそのままに機能評価する手法を生み出すことができる.このため,標的分子との反応によって磁気情報あるいは蛍光特性等の光化学特性が変化し生体内情報を読み取り可能な化学反応に変換できるプローブ分子をデザイン・合成・細胞応用する. 平成17年度までに蛍光プローブをデザイン・合成することにより,細胞内分子の動態を分子が機能しているその場で可視化することに成功してきた.本申請では,この可視化プローブをがん化プロセスの評価を目標して作製し,個体における遺伝子発現可視化術開発を行う.さらに,細胞のがん化マーカーとしての評価手段としてチロシンフォスファターゼ活性の可視化手法を開発する. 本年度は,がん化プロセスにおいて活性が変化するタンパク質チロシンフォスファターゼ(Protein Tyrosine Phoshatase PTP)活性をイメージングするプローブを開発し,細胞レベルにおけるがん化プロセスの評価手法を供出する.新たに,蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のメカニズムのうちドナー蛍光とアクセプター吸収の重なりの大きさを表す重なり積分型プローブを作製する.このプローブはPTP活性によって蛍光波長が変化し,高精度測定である二波長のレシオイメージングを可能とする.このプローブを生細胞に導入し,レシオイメージングを行った結果,生細胞では接触阻止が起こる際にPTP活性が増大することを示し,がん化された細胞ではPTP活性が抑えられていることを見いだした.本研究では,PTP活性に着目することでがん化プロセスの評価法を作製することに成功した.
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