2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18012003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安井 明 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60191110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 雅 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (70216612)
中嶋 敏 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (00375114)
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Keywords | DNA切断 / PARP / XRCC1 / 細胞死 / ゲノム不安定性 / PALF / in situ解析 / DNA修復 |
Research Abstract |
DNA切断はヒトゲノムに頻繁に生じ、そのなかでも単鎖切断は最も頻度が高く、頻度の低い影響の大きい二重鎖切断が生じる原因となる。これまで、単鎖切断が生じるとPARP1と呼ばれる酵素が見つけて活性化し、自身や周辺のクロマチンをポリADPリボシル化してそこにXRCC1を中心とする修復蛋白の複合体を呼び寄せることを明らかにしてきた。この初期の過程でPARP1は単なるニックではなくギャップがないと活性化されないことが知られている。今回、PARP1と結合しニックをギャップに変えるヒト由来の新規蛋白質PALFを発見した。PALFはアミノ末端にPNKやAPTXの持つリン酸化ペプチド結合ドメインであるFHA(Fork Head Associated)ドメインを持ち、C端にはzinc finger likeな構造のCYRドメインを持つ。CYRドメインは塩基を喪失したAPサイトの5'側を切るAPエンドヌクレアーゼの活性があり、さらに5'側にDNAを切って行く3'-5'エキソヌクレアーゼの活性がある。この活性がPARP1を活性化すると考えられる。 PARP1はこのCYRドメインに結合する。HeLa細胞をPALFに対するsiRNANで処理し、その発現を抑制すると、細胞はMMSに感受性となったことから、ヒト細胞での単鎖切断の修復にPALFが実際に働いていることが示された。N端のFHAドメインはリン酸化されたXRCC4と結合し、この蛋白と二重鎖切断のNHEJを関係づけることが分った。さらに、X線、カンプトテシン、シスプラチン、HUなどで細胞を処理すると、PALFのFociが観察され、それはリン酸化H2AXのFociと全く一致した。これらのことからPALFは二重鎖切断の組換えにも関わっていると考えられる。今後、PALFの発癌との関連を調べて行く。
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Research Products
(6 results)