2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18012007
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴原 茂樹 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (70206142)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古山 和道 東北大学, 大学院・医学系・研究科, 准教授 (80280874)
丸山 芳夫 東北大学, 大学院・医学系・研究科, 教授 (00133942)
|
Keywords | 小細胞肺がん / 肺動脈 / 換気血流不均等 / 低酸素 / ヘムオキシゲナーゼ / イオンチャネル |
Research Abstract |
慢性閉塞性肺疾患は肺がんの危険因子であり、肺がん発生には炎症及びそれに起因する低酸素環境の関与が示唆される。ヘム分解系の律速酵素であるヘムオキシゲナーゼ-2(HO-2)は適正な換気・血流比の維持に関与する。よって、HO-2は換気血流比を制御する気道神経上皮小体において未知の機能を持つと考えられる。そこで、ヘム代謝系が関与する肺循環特異的低酸素応答の分子機構を解析し、以下のような結果を得た。1)気道神経上皮小体に由来するH146ヒト小細胞肺がん細胞におけるヘム制御性Caチャネル活性の分子基盤を解析した。その結果、同Caチャネル機能へのHO-2の直接的な関与は否定された。2)イーストtwo-hybrid法にてHO-2の機能発現に関わる分子を探索し、その候補分子としてプロテアソーム構成タンパクであるPSMA7を同定した。PSMA7がHO-2タンパクの分解を制御すると推定している。3)ヒト赤芽球系白血病細胞を低酸素に曝露すると、HO-2の発現は低下し、それに伴いヘモグロビン陽性細胞と細胞内ヘム量が増加した。この低酸素による赤血球分化誘導過程にTGF-betalが関与することを明らかにした。4)細胞増殖抑制作用を持つPGD2が、受容体依存的に種々ヒト細胞でHO-1の発現を誘導することを初めて明らかにした。しかし、A549ヒト肺がん細胞ではHO-1発現の誘導は見られなかった。なお、PGD2はいずれの細胞においてもHO-2の発現には有意な影響を与えなかった。5)DNAアレイ解析により、低酸素曝露マウスの心臓で発現が変化する分子を複数同定し、現在、各分子の生理機能を解析している。平成19年度に進展した計画5)に関しては、今後も研究を継続し、肺循環の分子制御法の開発を目指す。
|
Research Products
(5 results)