2006 Fiscal Year Annual Research Report
肺腺癌EGFRキナーゼ活性型変異株はなぜ蛋白分解阻害物質SLPIを高産生するか
Project/Area Number |
18012008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
貫和 敏博 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40129036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 彰 東北大学, 病院・助手 (70361087)
田原 稔 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (50375036)
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Keywords | EGFR / SLPI / EGFR特異変異 / 肺発癌 / ノックアウトマウス / 自然免疫 |
Research Abstract |
肺癌細胞株H1650,PC9はEGFR(epidermal growth factor receptor)にexon19の一部の欠失変異をもつ細胞である。これらの細胞はSLPIを高産生することを思い出した。今回、以下に示すように、SLPIとEGFRの関連、および不明な点の多いSLPIの肺癌における作用機序を解析した。 1.ヒト肺癌細胞株A549、H1650、H1975においてリコンビナントEGFを添加することで、培地中に分泌されるSLPIの濃度が上昇することが確認された。また、EGFRリン酸化酵素特異的阻害剤であるゲフィチニブの投与で、H1650はSLPIの分泌量が低下した。これらの結果よりSLPIはEGFR exon19変異により発現の制御をうけていることが明らかとなった。 2.SLPIノックアウトマウスにおいてウレタンによる化学発癌に抵抗性があることから、ウレタンを投与する前後のSLPIノックアウトマウス、およびそのコントロールとしてC57BL/6マウスの肺よりtotalRNAを抽出し、マイクロアレイ解析を行った。その結果、SLPIノックアウトマウス肺において炎症時に上昇することが知られているMucin 5ACやSerum Amyloid A3等の発現が上昇していることを明らかにした。 3.リコンビナント蛋白GST-SLPIを作成し、レジンカラムに結合させ、マウス肺のCytosol分画、ミクロソーム分画と反応させ、SDS-PAGEを行うことで、SLPIと結合する蛋白質を分離した。LC-MSによる解析でこれらの蛋白質を同定した。 4.CMVプロモーター下にSLPIを高発現するトランスジェニックマウスを作成した。第一世代として、オス4匹が誕生した。
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Research Products
(8 results)