2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18012013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀越 正美 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (70242089)
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Keywords | 遺伝子発現 / ヒストンシャペロン / 癌遺伝子産物 / Myb / KLF5 |
Research Abstract |
1.ヒストンシャペロシCIAと癌遺伝子産物Mybとの相互作用を介した正の発現制御過程の解析 (1)ヒストン脱アセチル化酵素及び負のコファクターのMyb作用プロモーターへの相互作用に関するヒストンシャペロンCIAの効果の解析:ヒストン脱アセチル化酵素HDAC、負のコファクター複合体NCoRなどのMybが作用するプロモーター上で働く様々な負の制御因子とヒストンとの相互作用に対して、CIAが競合することを示した。 (2)各々の相互作用に必要とされるCIAのドメインの同定とCIAのヒストンシャペロン活性ドメイン及び転写活性化ドメインの同定:転写活性化、及びヒストンシャペロン活性に必要なCIAのドメインが、負の制御因子との相互作用解除に必要なドメインと一致することを示した。 2.ヒストンシャペロンTAF-Iと癌遺伝子産物KLF5との相互作用を介した負の発現制御過程の解析 (1)ヒストンシャペロンTAF-IとKLF5間の相互作用に関するドメインの同定:KLF5はヒストンシャペロンTAF-Iと競合して転写を負に制御する。TAF-Iと相互作用するZinc fingerのドメインマッピングの結果、3つのZinc fingerのうち、1つだけが活性制御を担うことが判明した。 (2)ヒストンシャペロンTAF-Iの三次構造検定とTAF-I-KLF5複合体の三次構造の解析:TAF-Iの三次構造を決定した。TAF-IとKLF5との複合体構造解析についても、複合体の結晶、構造解析用の回折パターンが得られた。 3.ヒストンシャペロンCIAのヒストン(H3-H4)2四量体の分割活性の発見及びCIA-ヒストンH3-H4複合体の構造解析を通してのヌクレオソーム半保存的複製モデルの提唱 (1)ヒストンシャペロンCIAによるヒストン(H3-H4)2四量体の分割活性:CIAのヒストン(H3-H4)_2四量体分割活性を見出し、ヌクレオソームの複製時に親DNA鎖上のヒストン(H3-H4)_2四量体が2本の娘DNA鎖に均等に分配されるヌクレオソーム半保存的複製モデルの提唱に至った。 (2)ヒストンシャペロンCIA及びヒストンH3-H4二量体の複合体の構造解析:CIA-ヒストンH3-H4の複合体を解析し、ヌクレオソーム構造変換機構解明のモデルを提示した。
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