2007 Fiscal Year Annual Research Report
c-Myc標的遺伝子ATF3の細胞増殖と発がんに関する研究
Project/Area Number |
18012015
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
北嶋 繁孝 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 教授 (30186241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 三美 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (10323693)
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Keywords | ストレス応答遺伝子ATF3 / Alternate promoter / クロマチン構造 / 紫外線誘導DNA傷害 / 細胞死 / DNA傷害 / 発がん / がん抑制 |
Research Abstract |
転写因子ATF3は、血清刺激による細胞増殖誘導時に発がん遺伝子c-mycの下流で誘導される。同時に種々のストレス刺激によっても誘導されることから、細胞増殖と細胞死に関わっており細胞運命の決定に働いているがそのメカニズムと意義については不明な点が多い。本研究期間において、次の点を明らかにした。 1)ATF3遺伝子のalternate promoterは、ヒドとマウスで保存されており、各種ストレス刺激や血清誘導に応答すること、 2)発がん性RasやTGF-bにも応答すること、 3)ATF3高発現がん細胞LNCaPやホジキン細胞では、上流のプロモーターが活性化されていることを見出した。 4)がん細胞におけるプロモーターの活性化はクロマチン構造の変化を伴っていることを見出した。さらに、 5)皮膚細胞での紫外線によるATF3誘導では、Hif2aを介する新たなシグナル経路によること、 6)ところが、より弱い紫外線照射によるATF3誘導は、p15を標的遺伝子として誘導し、CpGダイマーの修複を促進することを見出した。以上の結果は、ATF3遺伝子のalternate promoterによる発現制御を明らかにし、がん細胞での恒常的発現が遺伝子プロモーターのエピジェネティックな変化を伴っていることを示すものであり、さらに、ATF3誘導が、発がんとがん抑制に同時に関わることを示すものである。 さらに、ATF3の個体レベルの生物機能を解析する目的のために組織特異的ATF3ノックアウトマウスを作成し、germline KOマウス作成とp53とのダブルノックアウトマウスを作成している。
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