2006 Fiscal Year Annual Research Report
B型肝炎ウイルスX蛋白の転写修飾機能と細胞形質転換能促進
Project/Area Number |
18012018
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
村上 清史 金沢大学, 名誉教授 (90019878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 安成 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (40293352)
小泉 恵太 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教授 (70377406)
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Keywords | 癌 / ウィルス / 蛋白質 / 発生・分化 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
HBV X蛋白(HBx)は多機能制御蛋白である。集約型アラニン置換変異(HBx-cm)ライブラリー等を用いた解析から、転写のcoactivation能がHBVウイルス増殖促進に寄与することを報告した。HBxのヒト初代細胞への形質転換能の検討を行い、本年度以下の結果を得た。 1)活性化RASとHBxの共発現による不死化ヒト初代細胞(BJ-hTERT)の形質転換が観察される。HBxのOncogene-induced senescence(OIS)克服能に必要な領域を限定するために、レトロウイルスベクター系の集約型アラニン置換変異(HBx-cm)発現ライブラリーを作成し、BJ-hTERTに導入した細胞株を樹立した。その結果、転写のcoctivationドメイン(aa51-154)の両端約20アミノ酸残基の配列は置換による影響を受けず、それ以外は形質転換に必須であり、coactivation能と異なる配列が重要であった。更に、coactivationに不要なN端の負の制御ドメイン内のcm変異の発現により、不死化の克服は観察されたが、anchorage-independentな増殖は観察されなかった。これらの結果は、HBxのOIS克服能には転写のcoactivation能とは異なる機能が必要であることを示唆した。2)負の制御ドメイン内のHBx-cmの発現はBJ-hTERT細胞株で極めて微弱であった。これは、HepG2を用いた一過性発現系でHBx-cmライブラリーでほぼ同様な発現が見られる結果と対比的であった。更に、BJ-hTERT細胞株で発現した負の制御ドメイン内の置換変異HBxは野生株と比べて、SDS-PAGEで電気的易動度が低いことを見いだした。3)HBxとRNAポリメラーゼサブユニットRPB5との結合に拮抗するRMPの生物学的機能をショウジョウバエ系で検討した。受精卵にRMP RNAiを注入すると、胚発生時に神経細胞数の減少と規則的な配列の強い乱れが観測され、RMPが細胞のmigrationに関与する分子であることが示唆された。RNAi/強制発現トランスジェニック系統の作成を行い、それぞれの系統の作成に成功した。fly-RBP5/GST融合蛋白を調整し、fly-RBP5分子の抗体作成を準備中である。
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Research Products
(8 results)