2007 Fiscal Year Annual Research Report
apc変異マウスを用いた臓器特異性と遺伝子背景に関する分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
18012027
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡崎 拓 The University of Tokushima, 疾患ゲノム研究センター, 教授 (00362468)
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Keywords | がん抑制遺伝子 / 大腸がん / 皮膚がん / 白血病 / 連鎖解析 / LOH |
Research Abstract |
これまでに様々ながん遺伝子、及びがん抑制遺伝子が同定され、個々の機能については詳細に解析されてきた。しかし、がんの発生を総合的に理解するためには、各遺伝子変異の複合的な関与、及び個体差が与える影響を検討する必要がある。そこで本研究課題では、発がんに関与する遺伝子群を連鎖解析により網羅的に探索し、発がん機構を総合的に理解することを目的とする。 家族性ポリポーシスの原因遺伝子Apcと膵臓がんの原因遺伝子Smad 4の変異を同一染色体上に有するマウス(Apc+/Δ716 Smad 4+/-マウス、以下cisマウス)は、C57BL/6系統では腸管内に多数の悪性腺がんを発症し、生後10〜15週齢で死亡することが報告されている。昨年度までに、C57BL/6-cisマウスをBALB/c系統に戻し交配し、BALB/c-cisマウスを作製したところ、BALB/c-cisマウスは腸がんをほとんど窮生しなかった。ところが、巨大な皮膚がん(悪性増殖性毛包嚢胞癌)と急性骨髄性白血病に類似の症状を発症し、生後15〜20週齢で死亡した。そこで、Apc、及びSmad 4遺伝子のLOH(Loss of Heterozygosity)を両病変において検討したところ、皮膚がん組織においてはLOHを確認することができたが、白血病様細胞では確認できなかった。また、Apcの欠損により誘導されるβカテニンの核移行も、皮膚がん組織においてのみ確認された。以上のことから、白血病様細胞の増殖は、両遺伝子の機能不全によるものでは無く、皮膚がん組織の増大に対して反応性に誘導されたと考えられた。 また、BALB/c-cisマウスを他の系統のマウスと交配し、皮膚がん制御遺伝子の連鎖解析を試みたが、C57BL/6系統との交雑マウスは腸がんの発症頻度が高すぎて皮膚がんの連鎖解析には不適であることが判明した。今後は、皮膚がんと腸がんの両方に抵抗性の系統を探索するために、腸がん抵抗性系統であるC3H系統、及びAKR系統に戻し交配を行う予定である。
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Research Products
(8 results)