2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規Gene-Trap法による多段階の白血病発症に関わる遺伝子単離の試み
Project/Area Number |
18012032
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00294083)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
水木 満佐央 大阪大学, 医学部附属病院, 助教授 (80283761)
織谷 健司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70324762)
柴山 浩彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60346202)
|
Keywords | チロシンキナーゼ / 白血病 / Gene-Trap法 |
Research Abstract |
活性型チロシンキナーゼによる造血細胞の腫瘍化機構を明らかにするために、特発性好酸球増加症/好酸球性白血病の原因遺伝子FIPIL1/PDGFRα及びその変異体を造血幹細胞、骨髄系共通前駆細胞、リンパ系共通前駆細胞、骨髄単球系前駆細胞、赤巨核球系前駆細胞などに導入し、これらの細胞の系統決定、増殖、生存、腫瘍化に及ぼす影響を検討した。その結果、FIPIL1/PDGFRαは、いずれの細胞に導入された場合もサイトカイン非依存性の増殖を可能にするが、造血幹細胞に導入された場合のみ永続的な細胞増殖を伴う腫瘍化をもたらし、前駆細胞レベルに導入した場合には腫瘍化をもたらさないことが明らかとなった。また、リンパ系共通前駆細胞、赤巨核球系前駆細胞などに導入した場合、通常の造血発生の機構では起こらない好酸球への分化が誘導された。これらの結果から、FIPIL1/PDGFRαの異常は造血幹細胞レベルでおこり、好酸球系細胞への分化を選択的に誘導することが明らかとなった。現在、テトラサイクリン除去(Tet-off)により遺伝子発現を誘導するプロモーターとERM Tagのついたキメラ蛋白として遺伝子発現を起こさせるためのスプライスドナー(SD)の発現カセットが組み込まれたERMレトロベクターをFIPIL1/PDGFRαなどの活性化チロシンキナーゼと同時に感染させ、前駆細胞を不死化する分子の単離を試みている。また、AML1/MTG8などの白血病原因遺伝子と協調して白血病発症に関わる分子も同様の手法で単離を試みている。
|
Research Products
(6 results)