2006 Fiscal Year Annual Research Report
発がん防御に重要な新規二重鎖切断修復タンパク質の探索とその機能・構造解析
Project/Area Number |
18012046
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
胡桃坂 仁志 早稲田大学, 理工学術院, 助教授 (80300870)
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Keywords | 遺伝子及び染色体 / ゲノム進化・再編 / タンパク質と酵素 / 構造活性相関 / 活性発現の分子機構 / 生体分子立体構造解析及び予測 / 構造生物学 / 染色体構築・機能・分配 |
Research Abstract |
"相同組換え修復"経路は、染色体DNAの二重鎖切断の修復に重要である。この経路では、細胞のがん化の主要な原因の1つと考えられる二重鎖切断を、相同組換えを経由して正確に修復することができる。そのため、相同組換え修復の分子機構を解明することは、二重鎖切断修復による発がん防御機構を明らかにするために重要である。高等真核生物では、相同組換えは多数の因子による巨大な相同組換え装置によってなされると考えられている。しかし、いまだ未同定の関連タンパク質が数多く存在し、そのため相同組換えの分子機構の理解が立ち後れている。そこで本研究では、相同組換え修復に関わる新規のタンパク質群を同定し、それらの相同組換えにおける機能を、生化学的および構造生物学的解析によって分子レベルで明らかにする。そのような研究を通して、二重鎖切断修復の欠損による発がん機構を明らかにすることを目的とする。本年度は、まず相同組換えの中心酵素であるRad51タンパク質のDNA結合に重要なアミノ酸残基を、部位特異的変異導入法によって得た複数の点変異体による生化学的解析により同定した。そして相同組換えに関わる新規の因子として注目されている、ヒトRad54Bタンパク質をバキュロウイルスによる大量発現系にて発現し、リコンビナントタンパク質として精製することに成功した。得られたRad54Bタンパク質が、Rad51タンパク質およびそのホモログであるDmc1タンパク質のいずれにも結合することが分かった。そして、精製したRad54Bタンパク質が、Rad51タンパク質およびDmc1タンパク質の組換え反応を、試験管内で活性化することを明らかにした。
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