2006 Fiscal Year Annual Research Report
色素性乾皮症原因遺伝子産物によるゲノム損傷認識とその制御機構
Project/Area Number |
18012050
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
菅澤 薫 独立行政法人理化学研究所, ゲノム損傷応答研究ユニット, 研究ユニットリーダー (70202124)
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Keywords | ヌクレオチド除去修復 / 色素性乾皮症 / XPC / DDB2 / 突然変異 / DNA損傷認識 |
Research Abstract |
C群色素性乾皮症(XP-C群)患者から同定された、XPC遺伝子のアミノ酸置換型点突然変異のうち、特に690番目のTrpのSerへの置換(W690S変異)に着目して解析を行った。この変異XPCタンパク質は野生型に比べて細胞内において不安定であり、定常状態における発現レベルが顕著に低下することがわかった。また、精製した組換えXPC(W690S)変異タンパク質は、調べた限りにおいてヘテロ三量体形成能、および他の修復因子とのタンパク質間相互作用を維持していたのに対して、DNA結合活性はほぼ完全に失っていることが示された。すなわち、W690S変異はXPCタンパク質の量的・質的欠損を同時に引き起こし、その結果ヌクレオチド除去修復機構の破綻とXPの発症をもたらすものと考えられる。一方、局所紫外線照射に伴うXPC(W690S)変異タンパク質の細胞内動態を免疫蛍光染色によって調べたところ、損傷認識活性を失っているはずの変異XPCが一見正常に損傷部位に集積できることを見出した。この集積がDDB2依存的に見られたことから、UV-DDBがまず紫外線損傷を認識して結合した後、タンパク質間相互作用を介してXPCのリクルートを促進する、というモデルが強く支持された。さらにこれまで変異が同定されていないXP-C群患者(日本人患者XP3KA、XP400Sを含む)について、培養細胞株からゲノムDNAを調製し、変異部位を決定する作業を進めている。
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Research Products
(5 results)