2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞の増殖と分裂に介在する新奇低分子量G蛋白質群の機能解析
Project/Area Number |
18013009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
紺谷 圏二 東京大学, 大学院薬学研究科, 助教授 (30302615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堅田 利明 東京大学, 大学院薬学研究科, 教授 (10088859)
梶保 博昭 東京大学, 大学院薬学研究科, 助手 (70401221)
福山 征光 東京大学, 大学院薬学研究科, 助手 (20422389)
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Keywords | シグナル伝達 / 生体分子 / 細胞・組織 / 遺伝子 / G蛋白質 / ゲノムプロジェクト / 染色体分離 |
Research Abstract |
低分子量G蛋白質は、細胞の分化・増殖、小胞輸送や細胞接着などの多様な細胞機能を制御する分子スイッチとして重要な役割を果たしている。がん原遺伝子産物Rasに代表されるように、低分子量G蛋白質が介在するシグナル伝達系の乱れは、細胞ないし個体の機能維持に重大な影響を及ぼすことが知られている。一方、ゲノムプロジェクトの進展に伴い、既存のサブファミリーには属さないユニークな低分子量G蛋白質群が存在することが明らかとなってきたが、それらの生理的役割に関しては殆ど不明である。これら新規低分子量G蛋白質群の単離・同定と機能解析は、新しい細胞内シグナル伝達系の解明、さらにはG蛋白質の新しい作動原理の理解に貢献すると考えられる。そこで申請者は、細胞分裂に関わるシグナル伝達機精の観点から、先に申請者が独自に同定した低分子量G蛋白質Gie/Arl8に関して解析を進め、以下の知見を得た。 Gie/Arl8は、動物培養細胞におけるRNAiでは染色体分離に異常が観察されること、また線虫におけるRNAiでは、胚発生時において細胞分裂に要する時間が遅延し、胚性致死となる表現型を示すことから、細胞分裂時に何らかの重要な役割を果たしていると考えられた。Gie/Arl8は既存のG蛋白質とは異なり、細胞内で主にGTP型で存在するというユニークな特性を示す。そこでGie/Arl8のグアニンヌクレオチド交換反応の制御機構に関して解析を行った結果、興味深いことにその効率的な交換反応にはN末端メチオニンのアセチル化修飾が重要な役割を果たしていることが明らかになった。さらに培養細胞における細胞内局在の検討から、Gie/Arl8の小胞状構造への局在化がアセチル化修飾依存であることも明らかになった。今後はGie/Arl8標的蛋白質などの同定を通じて、細胞分裂時におけるGie/Arl8の機能的役割の解明を目指す。
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Research Products
(7 results)