2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18013010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三木 裕明 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80302602)
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Keywords | Wnt / Dishevelled(Dvl) / Nucleoredoxin(NRX) / がん |
Research Abstract |
前年度までの研究成果として、細胞内の酸化還元(レドックス)制御因子として発見されたnucleoredoxin (NRX)がDishevelled (Dvl)に結合することによってWntシグナル伝達を阻害する事を見つけていた。 NRXの生理機能および細胞がん化との関わりを明らかにするため、今年度はNRXの遺伝子ノックアウトマウスの作製を行った。ヘテロマウスは特に異常な表現型を示さなかったが、ホモマウスは致死であった。ホモマウスは出生直前から直後にかけて死亡していること、また野生型マウスやヘテロマウスと比較して体が小さいことが判明している。現在、この死因を明らかにするための解析を進めている。一方、NRXの分子機能をより厳密に解析するため、胎生期のノックアウトマウスから繊維芽細胞を樹立した。今後、この細胞を用いてトランスクリプトーム、プロテオーム解析などを行い、NRXの機能解析をさらに進めてゆく予定である。 最後にNRXとDvlの結合がレドックス制御を受けていることを見つけていたが、その分子メカニズムに関しての解析も進めた。NRXには酸化還元活性に重要なシステイン残基が2つあり、酸化状態ではそれらがジスルフィド結合を形成して蛋白質のコンフォメーション変化を導くと考えられている。これらのシステインをセリンに変異させた実験から、Dvlとの結合および機能阻害にはC末側のシステインが重要であることが分かった。恐らくNRXが酸化されてC末側のシステインがジスルフィド結合を作ることでDvlとの結合が切れてしまうと考えられる。現在この可能性に関してより厳密な理解を得るため、Dvl/NRX複合体の立体構造解析を行うべく、その準備などを進めている。
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[Journal Article] Morphological change by overexpression of D385A dominant negative presenilin 1 in human neuroblastoma SH-SY5Y cells.2006
Author(s)
Tsuchiya, D., Kitamura, Y., Takata, K., Taniguchi, T., Uemura, K., Miki.H., Takenawa, T., Shimohama, S.
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Journal Title
J. Pharmacol. Sci. 102
Pages: 354-358
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[Journal Article] Developmental expression of neural Wiskott-Aldrich syndrome protein (N-WASP) and WASP family verprolin-homologous protein (WAVE)-related proteins in postnatal rat cerebral cortex and hippocampus.2006
Author(s)
Tsuchiya, D., Kitamura, Y., Takata, K, Sugisaki, T., Taniguchi, T., Uemura, K., Miki, H., Takenawa, T., Shimohama, S.
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Journal Title
Neurosci. Res. 56
Pages: 459-469
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