2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しい血管内皮細胞由来因子EGFL7のがん血管新生における機能解析
Project/Area Number |
18013021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
HEISSIG Beate 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30372931)
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Keywords | 血管内皮増殖因子 / マトリックスメタロプテイナーゼ / プラスミノーゲンアクチベータ受容体 / プラスミノーゲン / 顆粒球コロニー刺激因子 / 血管新生 / Kit-ligand / ヘマンジオサイト |
Research Abstract |
生体内における代表的な血管新生因子の一つである血管内皮増殖因子(VEGF)の濃度上昇は、がん血管新生を誘導するばかりでなく、組織中のマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の活性化を介し、がん細胞及び血管内皮前駆細胞の移動、組織侵入及び接着を促進することにより、がんの病態形成に広く関与しているととが解ってきている。MMPの活性化においては近年、線溶系因子プラスミノーゲン(Plg)/プラスミンが、そのプロ酵素からの活性化について直接的に作用していることが知られている。今年度の研究において、研究代表者らは白血病・リンパ腫患者の末梢血中に動員される単核球数と血漿中のPlg活性化因子受容体(uPAR)レベルとの間に正の相関関係があることを報告した。またこの報告の中では、単核球中において、特に好中球分画とuPARレベルとの相関性が強いこと、さらに好中球の産生するMMPを含む蛋白分解酵素が、受容体プロセシングにおいて重要な役割を担っていることまでが示唆された。次いで代表者らは骨髄由来の血小板を含む造血系細胞が、末梢組織中でVEGFの担体として機能していることを報告し、特にヘマンジオサイトと命名されたVEGF受容体-1(VEGFR1)陽性CXCR4陽性分画に属する細胞が血管新生過程におけるHUBとしての役割を担っていること、さらにVEGFによって活性化されるMMPが造血因子Kit-ligandのプロセシングを促進し、造血系細胞増殖V血管新生誘導に作用すること等を報告した。VEGF/VEGFRシグナル下流に属することが予想されている生体因子Egfl7は血管内皮を起源とする血管の発生過程において、特に血管の管腔構造形成に深く関与し、特にがん血管新生過程で強発現することが知られている。代表者らのグループはEgfl7のアデノウィルスベクターを作製し、現在その生理学的作用を解析中である。
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Research Products
(3 results)