2006 Fiscal Year Annual Research Report
膜型マトリックスメタロプロテアーゼー1によるがん浸潤性増殖制御機構の解析
Project/Area Number |
18013023
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐藤 博 金沢大学, がん研究所, 教授 (00115239)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮森 久志 金沢大学, がん研究所, 助手 (30345631)
|
Keywords | MT1-MMP / 細胞外マトリックス / インテグリン / MAPK / ERK / FAK / 細胞接着斑 / 細胞運動 |
Research Abstract |
インテグリンを介した細胞の細胞外マトリックス(ECM)への接着はMitogen Activated Protein Kinase(MAPK)の活性化を誘導する。活性化MAPKは細胞運動時における細胞接着斑のターンオーバーを制御することで細胞運動および浸潤に関与していると考えられる。これまでに我々は膜型マトリックスメタロプロテアーゼ-1(MT1-MMP)によるECM分解が細胞運動とインテグリンを介したMAPK活性化を制御していることを明らかにしてきた。本研究ではECM/インテグリンを介した細胞運動・浸潤・増殖制御におけるMT1-MMPの役割を明らかにすることを試みた。 その結果、MT1-MMPを発現しているHT1080細胞のECM上での細胞運動はMMP阻害剤により抑制され、同時にECM分解の減少と細胞接着斑の肥大化を認めた。MT1-MMPの過剰発現はECM分解を促進しその結果、細胞接着斑のターンオーバーおよび細胞運動の亢進を誘導した。一方、MT1-MMPの活性を特異的に阻害することにより細胞接着斑ターンオーバーの抑制が認められた。HT1080細胞のMMP阻害剤処理は細胞接着により誘導されるExtra-cellular signal-Regulated Kinase(ERK)活性化を抑制すると共に、Focal Adhesion Kinase(FAK)の自己リン酸化を亢進した。以上の結果からMT1-MMPによるECM分解は、細胞接着斑の安定性・ターンオーバーを制御することによりERK活性化、FAK自己リン酸化を調節し、細胞の極性形成・維持・運動・浸潤・増殖などを制御していることが明らかとなった。
|
Research Products
(6 results)