2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規ユビキチン化酵素KPC複合体による細胞周期制御因子p27の分解機構の解析
Project/Area Number |
18013025
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
嘉村 巧 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (40333455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三村 覚 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60432233)
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Keywords | 癌 / タンパク質分解 / 細胞周期 |
Research Abstract |
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)インヒビターであるp27は、細胞周期においてG_0-G_1移行期にSkp2非依存的にユビキチンープロテアソーム経路で分解される。最近われわれは、G_1期におけるp27のユビキチン依存性分解を制御している新規ユビキチンリガーゼとしてKPC(Kip1 ubiquitylation-promoting complex)を同定した。KPCはKPC1とKPC2から構成される複合体である。この複合体形成はKPC1の安定化に必須であり、それにはKPC2のUBLドメインが必要であった。また、KPC2はUBLドメインおよびN末端側UBAドメインを介して26Sプロテアソームと、さらに2つのUBAドメインを介してポリユビキチン化タンパク質とそれぞれ相互作用することが明らかとなった。加えて、KPC2は多くのUBL-UBAタンパク質に存在する機能不明のSTI1ドメインを含んでいた。KPC2のSTI1ドメインは、KPC1の安定化とKPC1によるp27のポリユビキチン化に必要であった。このことより、UBL、UBAドメインだけでなく、STI1ドメインもKPC2の機能に重要な役割を果たしていることが示唆された。一方、RNA干渉法を用いてKPC2の発現を抑制すると、G1期におけるp27の分解が阻害された。ポリユビキチン鎖と結合できないKPC2変異体をKPC2発現抑制細胞に導入すると、KPC2発現抑制時に観察されるKPC1の不安定化は回復できたが、p27の分解は阻害されたままであった。以上の結果から、UBL-UBAタンパク質KPC2はKPC1の正常な機能発現と協調したp27の分解制御に寄与することが示唆された。
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