2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18013040
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
谷村 進 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (90343342)
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Keywords | ERK-MAPキナーゼ / シグナル伝達 / 細胞運動 / 癌 |
Research Abstract |
本年度はp30に対する抗体を作成して解析を進め、以下に示す結果を得た。 【p30のリン酸化と細胞内局在】 MKN1細胞を血清で刺激すると顕著な細胞運動が誘導される。このような条件下において内在性p30に着目して解析を行ったところ、(1)p30の発現量には特に有意な変化が認められないこと、(2)過剰発現させたEGFP-p30と同様に、血清刺激に依存して内在性p30もSDS-PAGEにおける移動度が低下すること、(3)それはMEK阻害剤によって抑制されること(ERK-MAPキナーゼ経路によって制御されること)、(4)p30は血清刺激によって速やかに細胞のリーディングエッジに移行すること、を確認した。 また、p30の各種欠失変異体を作成してリン酸化部位の同定を進めたところ、C末端領域がp90^<rsk>によって直接リン酸化される可能性(部位は現在確認中)を見出した。 【p30結合タンパク質p120の同定】 p30と特異的に結合するp120について質量分析法によってその同定を行ったところ、p120はモータータンパク質の一種であることが明らかとなった。また、p120に対する抗体を作成し、その細胞内局在を検討したところ、p30と同様に血清刺激によってその一部が細胞のリーディングエッジに移行することを確認した。 【がん細胞株におけるp30、およびp120の発現量】 いくつかのがん細胞株を用いてp30およびp120の発現量と細胞運動能(Boyden chamber法にて評価)を比較検討した。その結果、Neuroblastomaを除いた各種臓器由来がん細胞株においてp30、およびp120の発現が認められ、その中でp120の発現量が多い細胞において細胞運動能が高い傾向が認められた。
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