2007 Fiscal Year Annual Research Report
ERK-MAP キナーゼの細胞内局在制御と細胞運動
Project/Area Number |
18013040
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
谷村 進 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90343342)
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Keywords | ERK-MAPキナーゼ / シグナル伝達 / 細胞運動 / がん |
Research Abstract |
1.p30発現量によってERK-MAPキナーゼの細胞内局在及び細胞運動能が変化する p30をMKN1細胞に発現させると、血清刺激に依存したERK-MAPキナーゼの核内集積が抑制された。一方、siRNA処理によってp30の発現を抑制した際には、血清刺激によるERK-MAPキナーゼの核内移行/集積が促進された。また、Boyden chamber法を用いて細胞の運動能を比較検討したところ、p30を過剰発現した際には細胞運動が抑制され、逆にp30の発現を抑制した際には細胞運動が亢進された。 2.p30/p120複合体はp30のSer^<202>のリン酸化により解離する p30各種欠失変異体、及び部位特異的変異体を作成してp30リン酸化部位、及びリン酸化酵素の特定を試みたところ、p30はSer^<202>がp90^<rsk>によってリン酸化されることを見出した。また、p30/p120複合体は血清刺激によって解離するが、それはMEK阻害剤によって抑制されること、さらにSer^<202>をAlaに置換したS202A変異体はp120から解離しないことから、p30/pl20複合体はp90^<rsk>によるp30のSer^<202>リン酸化によって制御されることが明らかとなった。 3.p120は血清刺激によって速やかに細胞周縁部位に移動する 特異的抗体による細胞免疫染色法、あるいはEGFP fusion p30及びp120を用いて、各分子の細胞内局在変化を観察した。その結果、血清飢餓状態ではp30は細胞全体にわたって局在していたが、p120は核周辺部位に点在していた。一方、細胞を血清で刺激した場合にはp120は刺激後速やかに細胞周縁部位のリーディングエッジと考えられる部位に移動するが、それはp30のS202A変異体を発現させると抑制されることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)