2006 Fiscal Year Annual Research Report
カドヘリン複合体とPAR-3複合体の接着非依存的相互作用の解析
Project/Area Number |
18013042
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
永渕 昭良 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (80218023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 正幸 熊本大学, 発生医学研究センター, 助手 (20336225)
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Keywords | カドヘリン / αカテニン / βカテニン / プラコグロビン / 上皮分化 / 上皮極性 / F9 / PAR |
Research Abstract |
βカテニンとPAR-3複合体の相互作用についての解析 本年度はβカテニンとPAR-3複合体の相互作用の分子基盤を明らかにする事を試みた。まず、これまでβカテニンの機能領域解析のために作成してきたβカテニン欠損変異タンパク質を発現させたβカテニン・プラコグロビン2重欠損細胞について、変異βカテニンとPAR-3複合体構成因子の局在を詳細に検討した。その結果細胞接着活性に必要なαカテニン結合領域を欠損したβカテニンもPAR-3複合体と局在を共にすることが分かった。このαカテニン結合領域欠損βカテニンから更にいくつかの領域を欠損させたところ、分子中央のアルマジロリピート2-9までを含む領域がPAR-3複合体と局在を共にするために十分であることが分かった。この領域から更にいくつかのアルマジロ領域を欠損させた変異分子や、この領域を欠損させたβカテニンのN末端領域とC末端領域だけからなる変異分子はどれもPAR-3と局在を共にすることがなかった。これらの結果からアルマジロリピート2-9の高次構造がPAR-3との局在に必要、十分であることが示唆された。 上皮分化誘導後に発現が誘導されるタンパク質の同定 DNAチップ解析結果を元に、上皮分化過程で発現が誘導される分子のうちでPDZモチーフを持つ物を検討した。その結果、Shroom, TIP-1という2種類の遺伝子が候補として浮かび上がってきた。これらの分子はβカテニン・プラコグロビン二重欠損細胞においても、αカテニン欠損細胞においてもその発現誘導が見られることから、カドヘリン・カテニン系とは独立して発現が制御されていると考えられる。Shroomは上皮細胞のアクチン構築の制御、TIP-1はβカテニンとの結合が報告されているがその機能の詳細は不明である。現在、両遺伝子のcDNA単離、および抗体の作製を試みている。
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