2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18013044
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
苅谷 研一 琉球大学, 大学院医学研究科, 教授 (40263371)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海川 正人 琉球大学, 大学院医学研究科, 助教授 (00325838)
武居 公子 琉球大学, 大学院医学研究科, 助手 (90325861)
遠藤 昌吾 沖縄科学技術研究基盤整備機構, 記憶と学習の分子神経生物学ユニット, 代表研究者 (60192514)
|
Keywords | Rap2 / MAP4K / がん細胞 / 上皮細胞 / 極性異常 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
私共はras癌遺伝子産物の類縁分子Rap2がHGK、TNIK、MINKの3つのMAPKKKキナーゼ(MAP4K)と結合することを見出している。これらがJNKやp38を制御することから、Rap2はMAPキナーゼ経路を介して細胞分化に関与する可能性が高い。一方、TNIKがJNKと無関係に細胞接着を制御することも見出しており、Rap2はMAPキナーゼ経路に加え未知のシグナル経路を介してがん細胞の異常形質に関与すると考えている。そこで本研究では(1)未知のシグナル経路の解析、(2)がん細胞における解析、(3)遺伝学的解析を通して、Rap2とがん細胞の分化異常との関連を解明している。 (1)(2)未知のシグナル経路の解析とがん細胞における解析:各MAP4Kに結合する蛋白質やリン酸化標的蛋白質を検索している。TNIK結合蛋白質の一つで、 Rap2により活性化されたTNIKによってリン酸化される足場分子を見出しており、上皮細胞における役割を解析している。この分子はショウジョウバエ上皮の極性遺伝子産物Dlgの哺乳類ホモログ(PSD-95、SAP-97)のPDZドメインに結合する。この足場分子はマウスで扁平上皮癌を形成する上皮細胞株では細胞間接着部位に濃縮していたが、TNIKを過剰発現により活性化すると、TNIKによってリン酸化されると共に、細胞間接着部から離脱した。また、この上皮細胞株では、TNIKの活性化に伴って細胞間接着部位に濃縮していたE-カドヘリンが細胞の頭頂面に出現したり、wound healingアッセイにおいてゴルジ体の配向が全く揃わないなど、細胞極性の異常を思わせる表現型が出現した。 (3)遺伝学的解析:Rap2のコンディショナルノックアウトマウスを作製している。相同組換えES細胞でのCreによるゲノム切り出しを確認し、現在キメラマウスの作製中である。
|