2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバブルによる新しい遺伝子導入法の開発とがん治療への応用
Project/Area Number |
18014002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小玉 哲也 東北大学, 先進医工学研究機構, 助教授 (40271986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 栄夫 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20302218)
伊藤 正敏 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 教授 (00125501)
小濱 泰昭 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (60006202)
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Keywords | ナノバブル / 癌 / 分子イメージング / 可視化 / PET |
Research Abstract |
超音波とナノバブルを利用した分子導入法は、任意の組織に遺伝子などの高分子を導入することが可能な手法として注目を集めている。一方で、遺伝子治療では、遺伝子導入後の遺伝子発現プロファイルを非侵襲的にモニターし、患者の効果的な治療計画を立案することが望まれる。本研究では、ヨウ素取込み作用をもつNIS遺伝子に着目して、NIS遺伝子と腫瘍壊死因子TNF-αを組入れた治療用プラスミドを作成し、in vitroで放射線核種であるヨウ素の取込み、およびin vivoでの抗腫瘍効果とSEPCT/CTによるヨウ素の集積とその治療効果の画像取得を目的とする。 本年度は、NIS遺伝子と腫瘍壊死因子TNF-αからなるプラスミドpTNIS作成をおこなった。得られたプラスミドを腫瘍細胞にin vitroで導入し、TNF-αの量をエライザで解析して、作成したプラスミドの機能評価を実施した。 つぎに、マウス固形腫瘍での遺伝子発現のプロファイルを調べるために、ルシフェラーゼ遺伝子の導入しin vivoイメージングシステムで解析した。固形腫瘍での遺伝子発現プロファイルは遺伝子導入後2-3目にバックグランドレベルに減少することが明らかにされた。このプロファイルにしたがい、NIS遺伝子導入後の放射線核種ヨウ素^<123>Iの集積を、共同研究を実施している英国がん研究所のSEPCT/CTで確認した。また、放射線核種ヨウ素^<124>Iの製造に東北大学・サイクロトロンラジオアイソトープセンターが日本国内で初めて製造に成功し、今後は日本国内での製造と提供が可能になった。 一方、東北大学大学院工学研究科量子エネルギー工学専攻石井慶造教授が世界で初めて1mm以下の空間分解能をもつ実用型動物用半導体PETの開発(Elsevier社のNuclear Instruments and Methods in Physics Research, Aに発表予定)に成功したので、今後は日本からの遺伝子発現の可視化実験に関する情報発信が可能になった。
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